喫煙・タバコはしみ・そばかすを悪化させる?

たばこの画像 喫煙は「美容の大敵」といわれることがありますが、実際にタバコはカラダの老化を進行させる原因になり、肌においても、シミ、そばかす、くすみなどの色素沈着や、ニキビ、肌荒れを悪化させてしまう要因になることがあります。

たばこ・喫煙による体・皮膚への影響

タバコは活性酸素を大量に発生させる

たばこを吸う画像 タバコを吸うと体内で活性酸素が大量に発生します。活性酸素とは、強い酸化力をもつ酸素で、体内の脂質や細胞、血管などを酸化・劣化させて、様々な症状の原因となり、老化を進行させてしまう物質です。

活性酸素が大量に発生しても、人間の体にはそれを無毒化する抗酸化システムが備わっていますが、加齢によって潜在的な抗酸化力が衰えたりすると、細胞や血管の損傷が進行し、動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。

活性酸素はメラニン色素の生成を促す

皮膚が活性酸素の影響を受けると、情報伝達物質が放出されて、メラノサイト(メラニン色素)に「メラニンを作れ」と指令を出し、チロシナーゼという酸化酵素を活性させてアミノ酸のチロシンをメラニンへと変化させます。このメラニンがターンオーバーによって排出されずに沈着してしまうと、シミ、くすみなどの色素沈着として残ってしまいます。

活性酸素が発生する原因は、喫煙の他にも紫外線、ストレス、過労、過食、激しい運動、化学物質などがあります。

たばこは血管を収縮させて新陳代謝を悪化させる

たばこを吸う画像 タバコの煙には、多くの有害物質が含まれています。その中でも、ニコチンや一酸化炭素には、循環器系に大きな影響を及ぼすと考えられています。

ニコチンには血管を収縮させる働きがあることや、一酸化炭素には血液中の酸素不足を引き起こす原因となり、血行不良や酸素不足による新陳代謝の低下をまねきます。皮膚においては、血流が悪化すると肌に栄養が届けらなくなるので、ターンオーバーが乱れて、シミ、肌のくすみ、目の下のクマ、シワ、たるみなどの肌トラブルをまねきます。

例えば、たばこを一日20本を30分おきに吸う人の場合では、30分おきに20回も血流悪化と酸素不足を自らまねいているということであり、タバコを吸えば吸うほど健康や美容に悪影響を及ぼします。

タバコはビタミンCを消費する

タバコを吸うと多くのビタミンCが消耗されるといわれています。ビタミンCには、チロシナーゼの活性を阻害してメラニン色素の生成を抑制する働きや、メラニン色素そのものを薄く淡色化する還元作用をもち、喫煙によってビタミンCが不足すると、シミ・色素沈着などができやすくなります。

ビタミンCには優れた抗酸化能力があることや、コラーゲンの合成に関与する働きなどもあるため、喫煙によってビタミンCが慢性的に不足すると、しわ・たるみなどの肌老化の進行を促す原因になることがあります。

受動喫煙はタバコの害を大きく受ける

たばこによる受動喫煙の画像 受動喫煙(非喫煙者が喫煙者の煙を間接的に吸ってしまうこと)の場合では、体がタバコに対して慣れていないため、タバコの煙に含まれる有害物質に対して大きな影響を受けることがあります。

例えば、タバコの煙に慣れていない人では、受動喫煙によって喫煙者よりもビタミンCの消耗が多くなることがあるといわれています。喫煙者ではなくても、家庭内や職場に喫煙者がいる場合では少なからず健康被害を受けている可能性があり、実際に非喫煙者が受動喫煙によって動脈硬化による様々な病気を引き起こすケースは少なくありません。

喫煙者の美肌対策

ビタミンCを食事やサプリメントで補給

ビタミンCの画像 たばこを吸えば吸うほど体内の多くのビタミンCが失われるため、喫煙者は積極的にビタミンCを補給するようにしましょう。

ビタミンCは、イチゴ、みかん、オレンジ、キウイフルーツ、レモン、グレープフルーツ、アセロラなどの果物に多く含まれています。また、サプリメントを利用すると、より多くのビタミンCを補うことができます。一日の所要量は100mgです。

ビタミンCは体内で合成することができないため、必ず食事などから摂取する必要がありますが、喫煙者では食事やサプリメントなどでビタミンCを大量に摂取しても、ビタミンC濃度が非喫煙者のレベルまで回復しにくい傾向があります。

ビタミンB群でタバコの有害物質を解毒する

ビタミンB群は、タバコの煙に含まれる有害物質を解毒する際に不可欠な栄養素で、タバコを吸うほど不足しやすいといえます。

特に、ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、ナイアシン、ビオチンなどは皮膚の健康に深く関与し、不足すると皮膚疾患を引き起こす原因になることがあります。偏食のないバランスの良い食生活を心がけてビタミン不足にならないようにしたいところです。

抗酸化栄養素でタバコによる活性酸素を抑える

ポリフェノール類

ブルーベリーの画像 ポリフェノールは、植物に含まれる色素や苦み成分です。主に、ブドウの皮や種子、赤ワインなどに含まれるアントシアニン、プロアントシアニジン、緑茶に含まれるカテキンなどには強い抗酸化作用があります。特に、プロアントシアニジンは優れた抗酸化作用と血行促進作用があり、シミ、肝斑、色素沈着を改善する効果があります。

カロテノイド類

カロテノイド類では、トマトに含まれるリコピン、鮭やエビに含まれるアスタキサンチンなどが強力な抗酸化パワーがあります。緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンも優れた抗酸化力がありますが、喫煙者がβカロテンをたくさん摂取していると、かえって肺がんを引き起こすリスクが数倍に高くなる可能性があると指摘されています。普通に食事から摂取する分には問題ないですが、サプリメントなどで多く摂取する場合には注意が必要です。

喫煙者は継続的な運動を心がける

運動をする画像 タバコを吸うほど血行が悪くなり、新陳代謝が低下するといわれています。また、体の抵抗力も低下して風邪をひきやすくなったりします。そのため、日常的に運動をすることによって血行を改善し、新陳代謝を改善することができるはずです。ウォーキングやジョギングなどの無理のない運動を一日あたり30分ほどを目安に行うと、血行が改善され、喫煙による動脈硬化の進行を抑制することができるはずです。

喫煙者が運動不足に陥った状況が続くと、循環器系の病気を突然引き起こすリスクが高くなります。

禁煙は美容のきほん

たばこを止める画像 やはり肌の老化を予防するためには禁煙は不可欠です。喫煙は肌細胞の老化を促すため、タバコを続けながら実年齢よりも若く見られるような肌を維持するのは難しいと思います。

近年では、国民の禁煙志向の高まりや、タバコ税の増税などによって禁煙を決意する人も増えていますので、何かをきっかけにして禁煙を決意したほうが生活習慣病の予防にとっても理想的な決断だと思います。

禁煙する場合は、一日の本数を減らすよりも、一本も吸わないようにする強い意志をもつことが重要です。(本数を減らしても効果がないという指摘もあります)。禁煙に失敗する人は、ニコチンパッチやニコチンガムなどを利用するのも一つの方法です。