β-カロテン(ベータカロテン)とは、主に緑黄色野菜や海藻類に多く含まれる天然カロテノイド(カロチノイド)の一つで、体内でビタミンAに変換されることから「プロビタミンA」として知られています。
βカロテン(ベータカロテン)は、体の中でビタミンAとしての働きや、抗酸化物質として働き、内側から美しく透明感のある健康的な肌づくりをサポートします。
ベータカロテンの美白効果
ベータカロテンは体内でビタミンAに変換される
主に緑黄色野菜に含まれるベータカロテンを摂取すると、体に必要な分だけビタミンAに変換されます。そして、変換されなかったベータカロテンは、体内で抗酸化物質として働きます。
ビタミンAに変わる物質を総称して「プロビタミンA」と呼び、ベータカロテンもプロビタミンAの一つです。
ビタミンAの働き
ベータカロテンを摂取すると必要な分だけビタミンAに変換されます。そのビタミンAには以下のような働きがあります。
- ビタミンAは皮膚や粘膜の成長に働き、それら強化して正常に保つ働きある。
- 新陳代謝を促し、メラニンの沈着を排出させる働きがある。
- 強い抗酸化力により、粘膜の変質、細胞の酸化、老化を防ぐ。
- 発ガン抑制効果がある。ビタミンAが不足すれば発ガンのリスクが高くなる。
- ビタミンAが不足すると皮膚や上皮組織の細胞が硬く変質する。
- 免疫機能を正常に保つ。
- 生殖機能を維持する。
- 紫外線によるダメージを軽減する。
ビタミンAは、体に不可欠な脂溶性のビタミンで、皮膚、粘膜、目の健康に深く関与します。不足すれば肌荒れ、視力低下、脱毛症、爪の変形、抵抗力の低下、癌(がん)などの成人病を引き起こすこともあります。
ベータカロテンそのものが強い抗酸化作用がある
ベータカロテンを摂取すると、体に必要な分だけがビタミンAに変換されます。そして、ビタミンAに変換されなかったベータカロテンは体内で抗酸化物質として働き、細胞の酸化(老化)を防ぐ働きを担います。ベータカロテンには強い抗酸化力があり、抗酸化作用はビタミンEの50倍ほどだといわれます。
紫外線のダメージを弱める作用がある
ベータカロテンを充分に摂取している人ほど、紫外線による皮膚のダメージが少ないことがわかっています。ベータカロテンの抗酸化パワーによって肌の炎症を抑制し、メラニンの沈着(色素沈着)を予防する効果があるようです。
シミ、くすみ、色素沈着を薄くする?
ベータカロテンを多く摂取すると、数か月後には肌の透明感がアップし、シミ、くすみ、色素沈着が大幅に改善することがわかっています。ベータカロテンには年齢に関係なく効果があるようです。
β-カロテン摂取のポイント
ビタミンA(レチノール当量)の一日の所要量は?
成人男性:600μg、成人女性:540μg、妊婦:600μg、授乳婦:840μg、上限摂取量:1500μg
過剰症の心配がない
ビタミンAには過剰症があるため、ビタミンAを多く含むレバーなどは食べすぎに注意する必要がありますが、ベータカロテンの場合は体内で必要な分だけビタミンAに変換され、残りは抗酸化物質として働くため過剰症の心配がないといわれています。
ビタミンAもβ-カロテンも脂溶性であり、水溶性のビタミンのように汗や尿とともに排出されていくものではなく、体内に溜めておくことができますので、毎日必ず摂取しなければいけないというものではありません。
1日にどれくらい摂取すればビタミンA所要量をカバーできる?
ベータカロテン12μgがビタミンA(レチノール)1μgに相当するため、一日あたり6400~7200μgのベータカロテンを摂取すれば一日分のビタミンA必要量をカバーできます。
ベータカロテンを多く含む食品は?
ベータカロテンを多く含む食べ物は主に緑黄色野菜です。色が濃い野菜ほどベータカロテンを多く含みます。以下は食品100gあたりのベータカロテン量です。()カッコ内はビタミンAに換算したレチノールとしての量です。
βカロテンを多く含む食品「可食部100g」、()内はビタミンA換算量
にんじん:9100μg(760μg)
モロヘイヤ[生]:10000μg(840μg)
ほうれんそう[生]:4200μg(350μg)
ブロッコリー:810μg(67μg)
パセリ:7400μg(620μg)
ピーマン:400μg(33μg)
トマト:540μg(45μg)
にら:3500μg(290μg)
大根の葉:3900μg(330μg)
小松菜[生]:3100μg(260μg)
しそ:11000μg(880μg)
しゅんぎく:4500μg(380μg)
かぼちゃ:4000μg(330μg)
ビタミンAやβカロテンは油を使った料理と一緒に食べる
ビタミンAとβ-カロテンはどちらも脂溶性ですので、油料理や脂肪分が多い食品などと共に食べると吸収が高まります。
ベータカロテンと同時にリコピン摂取で美白効果アップ
ベータカロテンと一緒にリコピンを摂取することで、より強い抗酸化作用を得られます。リコピンとは、トマトに含まれる色素成分で、ビタミンEの100倍以上、ベータカロテンの2倍もの抗酸化作用をもつといわれる成分です。
ベータカロテンと同じように紫外線による影響を和らげる効果も確認されています。リコピンによって、新たにシミができる、今あるシミが濃くなるといった老化現象を予防できるはずです。
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