ポリフェノールとは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ成分を総称したものをいいます。植物が光合成を行うときに作られる植物の色素や苦みなどの成分で、ほとんどの植物にはポリフェノールを含有し、その数は数千以上におよぶ種類があります。
代表的なポリフェノールには、カテキン、アントシアニン、タンニン、イソフラボンなどが有名です。ポリフェノールは成分によって効能が異なり、種類によって抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用、ホルモン様作用、ビタミン様作用など、他にも様々な効果を持つものがあります。美白化粧品の有効成分として厚生労働省も認可している「エラグ酸」もポリフェノールの一種です。
ポリフェノールの「ポリ」は「多数の、複数の」という意味で、ポリフェノールとは「複数のフェノール」という意味になります。多数(2つ以上)のフェノールを含んだ化合物の総称をポリフェノールといいます。
ポリフェノールの美白効果まとめ
多くのポリフェノールには抗酸化作用がある
ポリフェノールの多くには優れた抗酸化力があるといわれます。植物が光合成をして成長するために作り出す成分には強い抗酸化力を有するのです。ポリフェノールの中でもカテキンやアントシアニン、クルクミンなどは高い抗酸化作用が認められ、エイジングケア成分として注目されています。
例えばブドウ種子や赤ワインなどに含まれるプロアントシアニジンにはビタミンEの2倍の抗酸化パワーがあるといわれています。
ポリフェノールがシミを抑制するしくみ
シミ、そばかすなどの色素沈着の正体であるメラニン色素は活性酸素の影響によって作られます。紫外線などの影響によって発生した活性酸素が情報伝達物質によってメラノサイトを活性化させ、チロシナーゼという酸化酵素を活性させます。そのチロシナーゼはアミノ酸のチロシンをメラニンに変化させ、メラニン色素ができるのです。
カテキンやアントシアニンなどのポリフェノールには優れた抗酸化作用により、活性酸素を消去する働きがあり、活性酸素の影響によって活発になるメラニン色素の合成を抑える働きがあります。
ポリフェノールにはすでにできてしまったシミを薄くする
肝斑は女性ホルモンの影響を受けてできるシミだといわれますが、ブドウ種子や赤ワインなどに含まれるプロアントシアニジンを摂取すると血行がよくなって、ポリフェノールの一部が血管から肌に到達してシミの原因となるメラニンの生成を抑制することがわかっています。
プロアントシアニジンには、改善の難しい肝斑にも効果があるといわれています。
ポリフェノールには血行改善効果がある
ポリフェノールの中でもアントシアニンには末梢血管の血流を改善する働きがあります。血行を促進させることで、くすみのない白く血色のよい肌へと導きます。特にブルーベリーやカシスに含まれるアントシアニンは血流改善効果と目の疲れを改善する効果が高く、血行不良による目の下のクマを改善する働きがあります。
他にも、ブドウ種子や赤ワインに含まれるプロアントシアニジンや、海岸松樹皮から抽出される「フラバンジェノール」にも血流を良くする効果があります。(フラバンジェノールはヨーロッパの一部の国では血流改善の医薬品として用いられています)。
ポリフェノールはビタミンなどの作用を高める
ポリフェノールには、ビタミンなどの効果を高めくれる働きをもつものがあります。例えば、赤ワインなどに含まれるブドウ種子プロアントシアニジンやソバなどに含まれれるルチンというポリフェノールはビタミンCの働きをサポートする作用があり、ビタミンCの美白効果と相乗効果を得ることができます。
ソバなどに含まれる「ルチン」というポリフェノールはビタミン様作用があり、血管に弾力を与えて丈夫にする働きもあります。
食品に含まれる美白効果のあるポリフェノールの種類は?
プロアントシアニジン
ブドウ種子や赤ワインなどに含まれる強い抗酸化作用や血行促進作用をもつポリフェノールです。プロアントシアニジンを摂取すると、血行が良くなり、ポリフェノールの一部が血管から皮膚に到達してメラニンが作られにくい環境をつくります。
アントシアニン
ブドウ(ブドウの実皮)、ブルーベリー、ムラサキイモ、カシスなどの赤紫色をした植物体に多く含まれているポリフェノールです。抗酸化作用、血流改善効果などがあります。アントシアニンが特に注目されているのが、ロドプシンの再合成を活性化させて、眼精疲労(疲れ目)の予防と改善、視力回復の効果があるといわれています。
カテキン
緑茶、りんご、ワイン、ブルーベリーに多く含まれる強い抗酸化パワーがあるポリフェノールです。他にも、殺菌作用や血中コレステロールの低下、高血圧の予防などの効果があります。緑茶に含まれるカテキンが有名です。
イソフラボン
大豆や大豆加工商品(豆腐、納豆、きな粉など)に含まれるエストロゲン様作用をもつ成分です。エストロゲンに似た働きにより不足した女性ホルモンを補い、キメ細かい美しい肌へと導く働きがあるため、エイジングケア成分として注目されています。
クルクミン
クルクミンは、ウコンに多く含まれる黄色色素です。強い抗酸化作用、抗炎症作用、脳細胞の保護作用があります。クルクミンは吸収が悪い成分ですが、卵黄や大豆に含まれるレシチンと同時に摂取すると吸収率が劇的に高くなります。
- ピーリングを10年続けた肌はどうなる?過剰ニキビケア体験談
- 面疔(めんちょう)の原因&治し方まとめ。最も効く皮膚科の薬や市販薬は?
- 皮膚の表皮・真皮・角質層の厚さは何ミリ?各部位の厚みと層数まとめ
- ベピオゲルのにきび減少率と副作用、ヒリヒリする痛みやかゆみの対処についても解説
- メガネ跡の黒ずみ・色素沈着を治す方法は? 予防法と治療方法
- 目・眼球のしみ(結膜母斑)の治療方法とは? 原因と治し方
- 皮膚科のニキビ処方薬「塗り薬・飲み薬」まとめ。保険適用で処方頻度が多い順
- アダパレンゲルの赤ニキビ減少率と副作用。ヒリヒリや皮むけ、かゆみの対処について
- ニキビを潰す方法。ニキビの芯を出す器具と潰していいニキビ写真一覧
- デュアック配合ゲルのニキビ減少率と副作用。痛みやアレルギーのかゆみ対処について