紫外線は窓ガラスを通過して室内や車内でも日焼けする?

窓から紫外線を浴びる画像 肌が老化する原因の多くを占めるのが紫外線の影響。その紫外線は窓ガラスを通過することがあり、室内にいても気づかないうちに紫外線を浴びていることがあります。

今回は、窓ガラスがどれくらい紫外線を通すのかを詳しく解説していきます。

紫外線の性質

UVA(紫外線A波)は窓ガラスを通過する

窓ガラスと紫外線 地上に降り注ぐ紫外線にはUVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の2種類があります。

そのうちUVAは波長が長いため窓ガラスを通過する性質をもち、室内にいても窓ガラスを通り抜けて紫外線を浴びていることがあります。

窓ガラスの品質によって違いがありますが、紫外線通過率は一枚ガラスで20~50%程度、複層ガラスで10~20%程度だといわれます。

波長が長いUVAは、皮膚の深い部分(真皮層)にまで届いてコラーゲンやエラスチンなどの組織やそれらを作り出す線維芽細胞に直接ダメージを与えます。そして、真皮層のコラーゲンなどが変性、減少し、ハリや弾力を失わせてシワやたるみなどの肌老化を引き起こします。

UVAはUVBよりも波長が長く、エネルギーが弱いため、UVBと比較すると皮膚に強い影響は及ぼしません。ただし、長期的に浴び続けるとゆるやかに肌細胞やコラーゲンなどを劣化させて肌老化を進行させます。

日当たりが良い部屋で生活している人は、窓ガラスを通過するUVAによってシワやたるみが進行している可能性があります。

UVB(紫外線B波)は窓ガラスに吸収される?

UVAは紫外線を通過することができますが、UVB(紫外線B波)は大半が窓ガラスに吸収されてしまい、窓ガラスを通過しにくい性質をもちます。それはUVBが波長が短い性質であるため、なんらかの障害物があるとエネルギーが弱くなってしまう性質であるためです。

波長が短いUVBはUVAと違って皮膚の深いところ(真皮層)にまでは届きません。ただし、UVBは波長が短くてエネルギーが強いため、表皮に対して強いダメージを与え、「サンバーン」といわれる皮膚の炎症を起こすような日焼けを引き起こす原因となります。

海水浴などに行った後に皮膚がヒリヒリする原因は、UVBによる影響が大きな原因だといわれます。

ガラス越しの紫外線を浴びないためには?

  • ブラインドやレースカーテンをする。これだけで劇的に紫外線をカットできます。
  • 窓ガラスを紫外線カット機能のあるものにする。
  • UVカットフィルムを貼る。ホームセンターなどで販売されています。
  • 机やテーブル、ソファーなどを窓から離れた位置にする。

自動車の窓ガラス(フロントガラス)は紫外線を通過する?

車内と紫外線 近年の自動車の窓ガラスは90~99%UVカットされているガラスが使用されています。メーカーや車種によって異なりますが、一般にフロントガラスは99%紫外線カット、サイドや後部ガラスには90%UVカットなどのガラスが使用されます。

フロントガラスは2枚のガラスの間に紫外線カット効果がある特殊な膜を挟んだ合わせガラスが使用され、紫外線99%カットを実現します。

また、ドアガラス(サイドガラス)やリアガラス(後部ガラス)は一般的に強化ガラスが使用され、紫外線90%カットを実現します。

フロントガラスとサイドガラスやリアガラスは違うタイプのガラスが使用され、この違いが紫外線遮断効果が若干異なる理由です。

古い自動車であれば紫外線カット機能がないフロントガラスが使用されていたりします。近年の自動車は、紫外線を遮断するガラスが使用されているので安心です。