脂とり紙の使いすぎがニキビ吹き出物の原因になる理由。使い方のポイント

脂取り紙 にきびの原因は、皮脂の増加が大きな要因の一つだといわれています。

そのため、洗顔だけではなく脂取り紙を使用して皮脂をケアする人も少なくありません。ただし、脂取り紙を使いすぎることでかえって皮脂分泌を促し、ニキビの原因になってしまうこともあるようです。

実際に、ある研究において脂取り紙を何度も使用した場合と、何もしてない場合を比較した実験では、脂取り紙を何度も使用したほうが最終的に皮脂が多く分泌されたという結果がでています。

ではなぜ脂取り紙を何度も使用すると皮脂が増えるのでしょうか。

なぜ脂取り紙の使用で皮脂分泌が促される?

セラミドが十分に存在する肌 脂取り紙を何度も使用すると皮脂が増加することがありますが、それは肌の潤い成分が奪われてしまうことが関係しています。

皮膚は、皮脂、細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)などの天然潤い成分が肌の水分量を保持しているといわれています。

角質層の水分保持機能のうち、約80%が細胞間脂質(主成分はセラミド)、天然保湿因子が18%ほどで、皮脂の保湿貢献度は残りの約2%ほどしかないとされます。皮膚の水分保持にとって皮脂の役割はかなり低いです。

セラミドや天然保湿因子、皮脂などがそれぞれバランスよく存在することでキメの整った美しい肌を維持することができますが、何度も洗顔したり、脂とり紙を押し付けるように使うと、皮脂だけではなく肌の保湿機能の大半を担うセラミドや天然保湿因子なども極端に失われてしまいます。

肌の潤いを奪われると表皮内細胞が活性化して再び潤い成分を作り出そうとしますが、それと同時に皮脂を合成する皮脂腺細胞も活性化し、皮脂が増加してしまうのです。

頻繁なスキンケアは、かえってニキビ肌荒れ、毛穴のブツブツといった肌トラブルの原因になるのはよくあることです。

なぜ皮脂が増加するとニキビが発生しやすくなる?

ニキビのメカニズム ニキビの原因は主に皮脂の増加によるものです。皮脂が増加するとアクネ菌などの皮膚常在菌が細菌性リパーゼという脂肪分解酵素を生成し、皮脂中の中性脂肪を分解して遊離脂肪酸を作り出します。

その遊離脂肪酸は肌を健康的な弱酸性に保つ役割がありますが、一方で皮膚に対して刺激性があり、角化異常(表皮を厚くする現象)を引き起こす原因になります。

その遊離脂肪酸の刺激が強くなると毛穴がふさがれやすい状態になってニキビが発生してしまいます。皮脂が多くなると皮膚を刺激する遊離脂肪酸も増加するため、皮脂の増加がニキビの原因になるのです。

脂とり紙の使いすぎで角質層が厚くなる

洗顔後の保湿不足や、脂取り紙の使いすぎなどによって肌の潤いが減少してバリア機能が低下すると、水分量を高めるために角質が過剰に生成されることがあります。

その結果、毛穴がつまりやすくなってニキビが発生することがあります。

大人のニキビの原因の一つが肌の乾燥によるものだといわれています。きちんと潤いを保持してターンオーバーを整えてあげることが美肌の基本です。

脂とり紙をどう使うか

脂とり紙の使い方によっても肌への影響が違うようです。例えば、脂とり紙を肌に押し付けるようにして使うと、余分な皮脂だけではなくセラミドなどの保湿成分まで吸着してしまいます。

それが肌の潤いを奪ってしまい、それをカバーするためにかえって皮脂が増加してしまうのかもしれません。また、必要以上に何度も脂取り紙を使うことも問題です。

肌の潤いを守る脂取り紙の使い方

脂取り紙は皮膚表面にのせるように使う

脂取り紙の使う写真 脂とり紙を使う場合は、必要以上に肌の潤いを奪わないようにしなければいけません。脂取り紙は皮膚に押し付けるように使うのではなく、肌の表面に簡単に乗せるように使いましょう。

肌の余分な皮脂やテカリを軽く取り除く程度で大丈夫です。皮膚にはある程度の皮脂膜や潤い成分が必要ですので、ニキビをなくしたいからとしてスキンケアにのめりこむと、それがかえって肌トラブルを悪化させてしまう可能性があります。

フィルムタイプが肌の潤いを守る

脂とりフィルム フィルムタイプである脂とりフィルムは、皮脂だけを吸着して肌の水分は吸着しません。

フィルムタイプは潤いを残して皮脂だけを取り除くことができます。ただし、フィルムタイプは皮脂の吸着力が強いため、押し付けるように使ってはいけません。
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脂取り紙はトントントンと肌にのせるように使う

肌に対して圧力をかけて脂とり紙をつかうと皮脂だけではなく角質層を満たすセラミドまで吸着してしまいます。なので表面の皮脂だけを取り除くイメージで押し付けないようにそっとのせるように使って下さい。

脂とり紙をニキビ予防として使うとき、どうしても毛穴の中の皮脂をごっそり吸着したくなるものですが、それじゃかえって乾燥をまねいて皮脂を増やしてしまうこともありえます。

ティッシュでもOK

ティッシュで皮脂汚れを落とす写真 脂取り紙ではなくてもティッシュペーパーでもOKです。ただし、肌に押し付けるように使うのではなく、肌に軽くのせるように使用しましょう。

ティッシュをのせるだけで皮脂はとれます。皮脂が特に多い鼻や小鼻はティッシュでも充分です。

脂取り紙は洗顔の代わりにならない

脂取り紙でも皮脂を取り除くことはできますが、ニキビケアの基本は洗顔です。皮脂が多いニキビ肌の人は1日2~3回くらいの洗顔は必要です。脂取り紙は洗顔の代わりとして使うのではなく、補助的に使いましょう。