にきびはジュースの飲みすぎで悪化することがあります。炭酸飲料として長く親しまれているコーラもその一つです。
コーラの飲みすぎで肌荒れが慢性化したり、ニキビが悪化しやすくなることがあります。
今回は、コーラとニキビの関係について。
コーラの原材料
まずはコーラの性質から。
日本で最もシェアが高い日本コカコーラ社のコカ・コーラの原料は以下のとおり。
コカコーラの原材料糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン。
なお、果糖ブドウ糖液糖とは、ブドウ糖の一部を酵素を用いて果糖に変化させたもので、糖分のうち果糖の含有率が50%以上90%未満の糖液をいいます。果糖はブドウ糖や砂糖などよりも甘味が強い特長があります。
コカ・コーラの栄養素「カロリー一覧」
- 2リットル中エネルギー900kcal、糖質226g、たんぱく質0g、脂質0g、ナトリウム0mg。
- 500ml中エネルギー225kcal、糖質56.5g、たんぱく質0g、脂質0g、ナトリウム0mg。
- 350ml中エネルギー157kcal、糖質39.5g、たんぱく質0g、脂質0g、ナトリウム0mg。
- 160ml中エネルギー72kcal、糖質18.0g、たんぱく質0g、脂質0g、ナトリウム0mg。
- 100ml中エネルギー45kcal、糖質11.3g、たんぱく質0g、脂質0g、ナトリウム0mg。
コーラのエネルギー(カロリー)というと、ほぼすべてが果糖ぶどう糖液糖や砂糖などの糖質によるものです。その糖質が極端に多いのが問題となるのです。
糖分の過剰摂取で免疫が低下する
「ニキビが大きく腫れやすい」、「すぐ化膿してしまう」
そういった炎症体質はコーラに大量に含有される砂糖や果糖が問題となっている可能性も。
コーラに多く含まれる砂糖や果糖は、でんぷんなどの多糖類よりも素早く体内に吸収される性質があります。
そのため、一度に多く摂取すると血糖値の急上昇をまねき、血中カルシウムイオンが低下したり、血液がドロドロ状態になったりします。
そして、免疫バランスが乱れるようになります。この現象は数時間続くこともあります。
免疫低下により傷が治りにくくなったり、皮膚感染症を起こしやすくなったりすることも。そして、同様にニキビが悪化しやすく、治りにくい体質になってしまいます。
また、この現象は糖尿病のような軽い免疫不全をもつ人においてもいえることで、常に血糖値が高い状態が続くことは、ニキビだけではなく他の炎症疾患にとっても良いものではありません。
そのため、皮脂が多くてニキビができやすい人や肌がデリケートな時期は、コーラのような糖分が多い飲み物の過剰摂取は控えるようにしましょう。
コーラの糖分が皮脂分泌を増加させる?
砂糖などの糖分を多く摂取すると皮脂が増加するといわれることがあります。ところが、糖分の摂取と皮脂の増加の関係は明らかになっていません。
コーラには多くの糖分が含まれていますが、糖分は摂取するとエネルギーとして使用され、余ったものは中性脂肪として蓄えられます。それが皮脂の増加に直接関係するかどうかはわかっていません。
皮脂を分泌する皮脂腺は、男性ホルモン(主にテストステロン)などの性ホルモンの影響に左右されます。砂糖などの糖分を過剰に摂取したからといって男性ホルモンが活発になることはありません。
コーラに含まれるカフェインで睡眠の質が悪化する?
コーラにはカフェインが含まれています。カフェインは主にコーヒーや紅茶、緑茶などに多く含まれる覚醒作用がある物質です。
覚醒作用や交感神経を活発にして気持ちを高揚させる働きにより、眠気さましや身体を活動的な状態へと導く目的で積極的に摂取している人も多いとされます。
ただし、覚醒作用があることから就寝前に服用すると眠りが浅くなって熟睡できなくなり、不眠症になってしまうこともあります。
肌は特に就寝中に活発に作られるため、熟睡できなくなるとニキビや肌荒れといった肌トラブルにつながってしまうことがあります。
カフェインの含有量の目安(100mlあたり)
コーヒー(ドリップ):50mg、コーヒー(インスタント):35mg、紅茶:20mg、緑茶:30mg、玄米茶:10mg、ほうじ茶:20mg、 ウーロン茶:20mg、コーラ:10mg、ココア:35mg、チョコレート(100g):20mg
カフェインの効果は数時間から半日ほど近く続くといわれています。そのため、熟睡するためには夕方以降は控えたほうが理想的です。
冷たい飲み物が消化不良を起こすこともある
一般にコーラは冷えた状態で飲む人が多いと思いますが、例えば食事と共に冷たいコーラを飲むと消化不良を起こすことがあります。
食べ物を摂取すると胃の活動が活発になって胃酸・胃液が分泌されますが、冷たい飲み物が入ってくると胃が一気に収縮して胃の活動が低下してしまい、消化不良を起こしてしまうのです。
これは消化器系の働きが弱い人ほど発生しやすく、また、冷たい飲み物に慣れていない人にも起こりやすいといえます。
腸の働きが過敏で下痢体質の人では、食事の際の冷たい飲み物は控えたほうが良いでしょう。消化不良を起こすと、口の周りにニキビができやすくなるという人もいます。
甘い物のとりすぎで腸内細菌が乱れる
コーラには砂糖や果糖が多く含まれますが、それを大量に摂取すると、腸内でカンジダという真菌が急激に増加することがあります。
カンジダはカビの一種で、どんな人にも肌や腸内に存在する常在菌の一つです。
そのカンジダ菌はプロスタグランジンという生理活性物質を作り出すのですが、そのプロスタグランジンは炎症反応を大きくする作用があります。
なお、ニキビが大きく腫れるのもプロスタグランジンの働きが大きく関与しています。
カンジダが増えると、比例して血中プロスタグランジンも増加し、炎症体質も進行してしまうという悪循環に陥ってしまう可能性があるのです。
カンジダ菌はもともとは病原性が弱い菌で、もともと腸内ではあまり影響力が強いものではないのですが、抗生物質を使ってきた歴史が長い人は、腸内細菌のバランスが崩れていたりするので、カンジダ菌が増えやすくなるとされます。
コーラを飲んで下痢してしまうという人は、カンジダ菌が影響している可能性が高いです。
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