ピーナッツは、マメ科ラッカセイ属の一年草で落花生ともいい、一般に落花生の中身の実(ナッツ)をピーナッツを呼びます。一般にナッツ類は豊富な栄養素を含みますが、ピーナッツにおいても脂質を中心に五大栄養素を豊富に含みます。
油分を多く含むことから植物油として用いられることがありますが、一方で脂肪分を多く含むことからにきびの原因になるといわれることがあります。
ピーナッツの栄養価(100g当たり)
ピーナッツとニキビの関係についてですが、まずピーナッツの栄養価からみていきます。以下はピーナッツの可食部100グラムあたりの栄養素です。ピーナッツは豊富な栄養成分を含みますが、その多くが脂質であることがわかります。
エネルギー
エネルギー(カロリー):562kcal
三大栄養素
炭水化物:18.9g、たんぱく質:25.5g、脂質:47.4g
ビタミン
ビタミンA:1μg、ビタミンB1:0.85mg、ビタミンB2:0.1mg、ビタミンB6:0.4mg、ビタミンB12:0μg、ナイアシン:17mg、パントテン酸:2.6mg、葉酸:76μg、ビオチン:81μg、ビタミンC:0mg、ビタミンD:0μg、ビタミンE:10.1mg
ミネラル
カルシウム:50mg、リン:380mg、マグネシウム:190mg、カリウム:740mg、ナトリウム:2mg、鉄:1.6mg、亜鉛:2.4mg、銅:0.6mg
食物繊維
食物繊維:7.4g
ピーナッツの油分がニキビ肌荒れの原因?
ピーナッツは、100gあたり約47gほどの脂質を含んでいます。非常に多くの脂肪分をもつため、食べ過ぎるとカロリーの過剰摂取になってしまいます。
そして脂肪分を一度にたくさん摂取すると、消化不良を起こしたり、ビタミンの消耗が多くなってしまう可能性があります。脂質を多く摂取すると、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンEなどの消費量が上がってしまいます。そのため、一度にたくさん摂取するのは控えたほうが良さそうです。
ビタミンB2・B6は不足するとにきび、肌荒れ、口内炎、脂漏性皮膚炎などの原因になることがあります。
ピーナッツアレルギー
人によってはピーナッツにアレルギーを起こすこともあります。(ピーナッツにアレルギーをもつ人は少なくないです)。
ピーナッツは即時型フードアレルギーだけではなく、遅延型フードアレルギーにおいてもアレルギーを起こしやすい品目で、それによってニキビのかゆみ、肌荒れ、湿疹が悪化してしまうこともあるようです。
もしピーナッツを食べて肌の調子がおかしいなと感じたら控えるようにしましょう。
なお、即時型食物アレルギーとは、IgE抗体によって引き起こされ、蕁麻疹などのようにすぐに反応が起こるアレルギーをいいます。
一方、遅延型食物アレルギーとは、原因物質を取り込んでから数時間から数日かけて反応が現れる食物アレルギーで、IgG抗体が関与して引き起こされると考えられています。
遅延型アレルギーは時間をかけて反応が現れるため原因を特定するのが難しいケースがあります。
ピーナッツに含まれる脂肪酸
ピーナッツは、たくさんの脂質を含みます。その脂質を構成する脂肪酸には大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられますが、その脂肪酸の種類や含有量によってニキビ肌荒れを誘発する可能性があります。
飽和脂肪酸には男性ホルモンを促す作用がある
脂質を構成する2種類の脂肪酸のうち、飽和脂肪酸はコレステロールを増加させて男性ホルモン(テストステロン)の増加を促す作用があります。
男性ホルモンはコレステロールから作られるステロイドホルモンの一種であり、コレステロールが増加することで一時的に男性ホルモンも高くなることがあります。
男性ホルモンは皮脂腺に作用して皮脂分泌を促す働きがあります。
皮脂が増加するとアクネ菌などの皮膚に生息する微生物が皮脂を分解して遊離脂肪酸を作り出しますが、遊離脂肪酸は刺激性があり、毛穴周囲の皮膚ターンオーバーを乱して毛穴を塞がりやすさせます。
その結果、ニキビ・肌あれを引き起こしてしまうようになります。
皮脂が増加するほどニキビができやすくなるのは、主に遊離脂肪酸による角化異常が原因だと考えられています。
ピーナッツは飽和脂肪酸が少ない
ピーナッツには、100gあたり約47gほどの脂質を含みますが、そのうちのほどんどがオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸(約40gほど)で、飽和脂肪酸は約7g程度です。
飽和脂肪酸は男性ホルモンを促す作用がありますが、ピーナッツには飽和脂肪酸の含有量が少ないため、皮脂分泌の増加については特に気にするレベルではありません。
つまり、ピーナッツを適度に食べる程度であれば、皮脂を増加させてニキビの発生原因になることは低いようです。
リノール酸が多いのが問題
ピーナッツにはリノール酸が多く含まれ100g中15gがリノール酸で構成されています。リノール酸は不飽和脂肪酸の一種で、人間が必ず摂取しないといけない必須脂肪酸です。
ヒトにとって不可欠なリノール酸なのですが、摂りすぎると問題もでてきます。それが炎症反応を悪化させることです。
体内において、リノール酸をもとにアラキドン酸という物質が合成されるのですが、このアラキドン酸はプロスタグランジンという炎症を悪化させる物質の原料となります。
つまり、リノール酸を多く摂りすぎると、プロスタグランジンという炎症物質がたくさん作られるということです。プロスタグランジンが多く発生すると、ニキビが常に大きく炎症を起こしやすくなります。また、アトピーや脂漏性皮膚炎といった症状も治りにくくなります。
炎症を悪化させないためにリノール酸の摂取は控えたほうがいいとされるのですが、ピーナッツはややリノール酸が多いので、にきびが悪化している場合は控えたほうが良さそうです。
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