オートマイクロニードルセラピー(A-MTS)のニキビ跡治療効果

ダーマペンの画像 オートマイクロニードルセラピーシステム(A-MTS)とは、電動ピストンを行う針を使った若返り治療です。

この治療は、マイクロニードル(極細の針)を高速ピストン運動によって皮膚に刺して意図的に穴をあけ、その傷を治すために放出される成長因子(細胞増殖因子)によって肌の再生と入れ替えやコラーゲン増生などを促します。

電気的なダーマローラー(ニードルセラピー)といえます。この治療は「ダーマペン」という名称のほうが有名です。

ニキビ跡治療A-MTS

単にコラーゲンの増加を促す高周波治療などと違って、新しい皮膚との入れ替えも促すため、ニキビ痕の凹みの正体である萎縮した瘢痕や、盛り上がった傷跡(肥厚性瘢痕)なども入れ替えて正常化し、凹凸のないキレイな肌へと導きます。

また、コラーゲン増生も活発に促進することから、ニキビ跡のクレーターとともに、しわ、小じわなどのエイジングケアにも有効です。

A-MTSとダーマローラーの違いは?

ダーマローラーとAMTSの違い ダーマローラー(ローリングメソセラピー)とは、マイクロスパイクといわれる極細の針が付いたローラーを肌の上で転がして穴をあけて意図的に傷をつくり、それを治すために放出される成長因子を利用して皮膚の入れ替えやコラーゲン増生を促す治療法です。

ダーマローラーは原理的にはA-MTS同じですが、細かな点では以下のような違いがあります。

ダーマローラー
  • 針が付いたローラーを肌の上で転がす時に針が皮膚内で動き、余計な痛みやダメージが加わる欠点がある。
  • ニキビ跡の硬く萎縮した瘢痕組織に対して針が刺さりにくい欠点がある。
A-MTS
  • 皮膚に対して垂直に針を刺すことができるため、ダーマローラーのような余計なダメージがおこることがなく、ダウンタイムも抑えられます。
  • 針が垂直に刺さることで硬い瘢痕にも確実に作用を及ぼすことができる。

肌の悩みに応じて針の長さを調整できる

オートマイクロニードルセラピーは、改善したい肌の悩みに対して針が皮膚に及ぼす深さをスイッチ一つで調整して治療を行うことができます。

例えば、浅いシミ、色素沈着、肌のくすみ、肌質改善といった場合には0.25~0.5mm程度、深いにきび痕や妊娠線、傷跡の場合は1.5~2.5mm程度といったように簡単に使い分けることができます。

オートマイクロニードルセラピー(A-MTS)の効果まとめ

ニードルセラピーによるニキビのクレーター改善効果
  • 自然治癒力による成長因子の放出によって皮膚の入れ替えを促し、一度の治療で10~20%の皮膚の入れ替えが可能とされます。
  • 成長因子の放出によって線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの増生を促す。一度の治療でコラーゲンが2倍近くに増加する。
  • ニキビ痕の硬く萎縮した瘢痕組織を入れ替えて正常化し、さらにコラーゲン増加によって陥没したニキビ痕が改善される。
  • ニキビ痕や傷跡などの盛り上がった瘢痕組織も入れ替えて正常化する。
  • 肌を入れ替えることによる肌質改善効果。

適応症状

  • ニキビ痕の凹み、クレーター、陥没瘢痕。
  • しわ、こじわ、ちりめんじわ、軽度のたるみ。
  • 毛穴のたるみ、毛穴の開き、キメの乱れ、肌質改善。
  • 肌老化対策、総合的なエイジングケア。
  • 妊娠線、肉割れ。
  • 傷跡(外傷痕やリストカット跡など)。
  • 成熟瘢痕(白い傷跡)、肥厚性瘢痕。(ただし、ケロイド体質には不向き)。
  • 毛孔性苔癬。

施術内容について

Step1カウンセリングによって肌状態を診断する。この時、効果だけではなくダウンタイムなどに対してもしっかり説明してもらいましょう。

Step2施術前は洗顔・クレンジングによって肌の汚れを落とします。

Step3麻酔クリームなどで麻酔をかける。(30分ほど)。肌の悩みによっては麻酔が不要な場合もありますが、深いにきび痕治療の場合は通常は麻酔が必要です。また、麻酔とは別にアイスパックなどで皮膚を冷やすと痛みの感覚が和らぎます。

Step4マイクロニードル(極細針)を刺していく。

Step5針を刺した後は美容成分の浸透が良くなっていますので成長因子を含んだ美容液の塗布・パックが非常に有効です。

Step6治療後は肌をクールダウンさせて終了です。

Step7お化粧・メイクは治療レベルにもよりますが、基本的に施術後当日は控えるべきです。カサブタがとれて安定するまではノーメイクが理想です。

映像で確認

以下は治療風景の動画。なつクリニック皮膚科・形成外科のYouTube。


成長因子を含んだ美容液を塗ります。成長因子を肌の奥に届ける目的と、ペンをスムーズに滑らせる目的があります。 成長因子を含んだ溶液を塗る


ダーマペンを肌の上でスライドさせて針を刺していきます。

針が短ければあまり出血はしません。短い針でもやりすぎると内出血を起こすことがあります。

なお、本格的に行うと顔じゅうが血だらけになります。 ダーマペン後の出血 参考:https://www.youtube.com/watch?v=kxPSt6iDC1s

アフターケア

  • 術後にはとにかく肌に対して負担になることは控えましょう。
  • 治療後は数日かけて施術部位が点状にカサブタができます。このカサブタを無理に剥がしたりしないようにしましょう。
  • カサブタが取れるまでお化粧などはできる限り控えるべきです。
  • 術後は化粧水などで普段よりもより一層の保湿スキンケアを行いましょう。肌の潤いがアップすると回復力が高くなります。
  • 治療後は紫外線対策をしましょう。

治療時間の目安

施術時間は、麻酔を含めると顔全体で1時間ほどはかかります。

治療回数の目安

施術回数の目安は、深いにきび痕治療では2~3ヶ月おきに3~5回ほどが目安です。1回の治療では効果が実感できないこともありますが、治療を重ねることで高い効果が期待できます。また、浅いニキビ痕の凹みの場合は1~2回の治療で十分な効果を得られることがあります。

治療料金の目安

施術費用は、病院によって違いがありますが部分的な治療で2~3万円ほどが目安です。

A-MTSの副作用や注意点

  • 出血することもありますが、数十分から1時間ほどで完全に穴は閉じて出血は治まります。
  • 術後は皮膚が強く赤みを帯びることがあります。顔を広範囲に覆うことができるマスクを持参しておくと良いと思います。
  • ダウンタイムを考慮して生活や仕事に余裕があるときに行ったほうが良いでしょう。
  • ケロイド体質の場合は治療は受けられません。
  • 妊娠中の場合は基本的に治療は受けられません。妊娠期はデリケートな時期で、女性ホルモンバランスの崩れにより肌トラブルが起きやすい傾向があります。
  • アトピー性皮膚炎、慢性湿疹、肌荒れ、強い日焼け、体調不良、病気など、医師の判断によっては治療が受けられないケースもあります。