バービーさんのニキビ肌のアップ画像を見ると珍しくないレベルだった

バービー (お笑い芸人)の画像

ニキビ肌だとかニキビ肌じゃないとかいわれるタレントの女性タレントのバービーさん(フォーリンラブ)。本人も頬あたりのデコボコしたニキビ跡のクレーターを気にしているといい、以前テレビでフラクセルというレーザー治療を受けたのだそう。

フラクセルレーザー フラクセルとは、皮膚に対して点状の熱ダメージを与えて、その損傷を回復するために発生する細胞増殖因子によってコラーゲン増加を促すという治療です。わりと有名な治療法です。

それによってニキビ跡の凹みの改善が期待できるとされますが、実際はフラクセルは熱ダメージを与えるだけの治療なので劇的なニキビ跡の改善は難しく、バービーさん自身もあまり効果が得られなかったようなのです。

ところが彼女のアップ画像を見るとぜんぜんニキビ跡がひどい状態ではなかったです。わりとキレイな肌をしていました。このレベルでなんでニキビ肌といわれるのでしょうか。芸能人だから?

バービー (お笑い芸人)の画像

バービー (お笑い芸人)の画像

バービーさんの肌は若干のデコボコ感があり、女性芸能人の肌としては綺麗とはいえないかもしれませんが、一般的にいえばバービーさんくらいのニキビ跡がある女性は多いものです。

有名な女優さんでもお化粧と取ると深いニキビ跡があったり、少なからず毛穴が目立ったりするのが普通です。(すっぴんでも本当に綺麗な人もいるみたいですが)。

例えば、女優の松嶋菜々子さんでも眉間に深いニキビ跡があったりしますし、武井咲さんでも眉の先に凹んだ傷痕?みたいなものがあります。

みんなファンデやコンシーラーなどを使ってバッチリカバーしてたりしますが、すっぴんになるとニキビ跡や毛穴、シミ、シワ、傷痕、ホクロ、アザなどのなんらかの肌の悩みはよくあるものです。

筆者は看護師として皮膚科に勤めていますが、皮膚科にニキビ治療に訪れる患者さんは、バービーさんよりもニキビ跡が深刻な女性ばかりです。

女性のにきび患者さんの中には、ニキビ跡の凹みが頬全体に広がっている人もよくいますし、ブラックマヨネーズの吉田さん以上にニキビ跡が深刻な女性もいます。私が見た中では現在まで40~50人くらいはいたと思います。

ニキビを治すといえば一般的には市販の治療薬を利用する人がほとんどで、多くの人はニキビを皮膚科で治そうという認識は低いのですが、どうやってもニキビが治らずに深刻な状態になった段階で皮膚科を受診する人が増えます。

女性だけでなく男性も多いです。割合でいうと7対3で女性が多いといったところでしょうか。そして、恥ずかしがりやな女性ほど重症化しているのに皮膚科への受診が遅れるケースが多いです。

ニキビが深刻になるほどニキビが跡になって凹んだり、色素沈着が治りにくくなったりするので、ひどくなる前に早めに皮膚科を受診したほうがいいです。

皮膚科医やその看護師は様々な症状の肌トラブルを見ていて慣れていますので、恥ずかしがることなく受診して下さい。マスクで隠して受診してもOKですし、お化粧したまま来院しても大丈夫です。

実は、男性にきび患者の中にはお化粧をして来院する人もいます。誰でもニキビが悪化すれば隠したいと思うのは当たり前のことですので男性がお化粧しても別におかしいなんて思ったりしません。どんなファンデーションを使っているのか、そしてそれがニキビ悪化の原因になったりしないかを教えてもらったりしています。

にきび跡の凹みには3つの種類がある

例えば同じ数だけニキビ跡の凹みがあっても、それが目立つ人とそうでない人がいます。クレーターの種類にって目立ち方が違うのです。

ニキビ跡の凹みは、大きく分けて、ボックス型、アイスピック型、ローリング型の3種類に分けられます。

ニキビ跡クレーターの種類のまとめ画像

そのうち、一番目立たないのはローリング型のニキビ跡クレーターで、バービーさんのようなタイプです。ローリング型のニキビ跡は光の加減で波がうねったように見えることがありますが、なだらかに凹んでいるので近くで見ないとわからないこともあります。

最も目立ってしまうのは、アイスピック型のクレーターです。ブラックマヨネーズの吉田さんに多いニキビ跡であり、凹みのレベルがとても深いところ(皮下組織)に及ぶので、肌荒れ感がとても強くなります。光の加減一つでデコボコ感も顕著です。あとはボックス型も多くなるほど目立ちます。

そのニキビ跡のクレーターは時間がかかりますが、フラクショナルレーザーやダーマローラー(針治療)を何度も繰り返すことである程度は改善に向かうようになります。浅い凹みの場合は肌質にもよりますが完全に平らになることもあります。

アメリカの美容業界の報告によると、フラクショナルレーザーを使ったニキビ跡クレーターの改善率は、ボックス型のクレーターが52%の改善率、ローリング型のクレーターが43%の改善率、アイスピック型のクレーターが25%程度の改善率だとされています。最も高い改善率でも約半分程度(52%)です。

アイスピック型のクレーターが改善率が低いのは、凹みが皮下組織(皮下脂肪などがある層)くらいにまで及んでいるためです。

ニキビ跡に対していろいろな治療法が確立した現在でも瘢痕化した真皮層を元通りになったといえるレベルまで改善するのは難しいケースが多いので「予防」が大切なのです。

フラクショナルレーザーの欠点はダウンタイム

フラクショナルレーザー後のカサブタの画像 フラクショナルレーザーはニキビ跡に最も効く治療の一つですが、高い効果があるほどダウンタイムが長くなる欠点があります。

フラクショナルレーザーには大きくわけて皮膚を削る「アブレイティブタイプ」と、熱ダメージを与えるだけの「ノンアブレイティブタイプ」の2種類に分けられます。

そのうち、効果が高いのは皮膚を削るアブレイティブタイプです。種類はCO2フラクショナルレーザーやエルビウムヤグレーザーなどがあります。

アブレイティブタイプのレーザーは、肉眼で確認できないレベルの微細な穴を無数に開け、その損傷を回復させる過程でコラーゲン増加を促し、皮膚の凹みを治します。

跡が残らないレベルの微細な穴をあけるのですが、実際に皮膚を削るといったダメージ性の強い方法なので、それだけコラーゲン増加率も高いです。

一方で、やはりダメージが強い分だけ施術中の痛みが強かったり、術後の赤みが何日も続いたりすることがあります。

肌が薄い人やレーザーの種類によっては出血することもあります。そして、術後はカサブタになるのでデリケートに扱わなければいけません。お風呂やスキンケア、日焼けなどにも注意する必要があります。

ニキビがケロイドになってしまう人もいる

悪化して長期化したニキビの画像 なお、皮膚科を訪れるニキビ患者さんの中には、ニキビ跡の凹みではなくケロイドタイプのにきび跡に悩む女性もいらっしゃいます。

ニキビ体質に加えて強いケロイド体質の場合は、炎症性のニキビが発生したらその部分がそのままケロイド(肥厚性瘢痕)になってしまうことも珍しくないです。

そのため、そういった患者さんはニキビができるごとに精神的な負担が大きくなるといいます。ある患者さんは外出にはマスクが必須だとおっしゃっていました。

その患者さんは本格的な治療が遅れたのでケロイドもまばらに存在しているのですが、今ではケロイドを抑える薬(トラニラスト)を飲んでいることや、皮脂を抑えるために低用量ピルを服用していることから、ニキビもできなくなり、新たなケロイドの発生は防げているようです。

ピルのニキビ改善率は70%以上という報告もあり、ホルモンバランスが落ち着かない女性の味方になってくれます。ニキビに効くピルは、マーベロン、ファボワール、ヤーズ、トリキュラーなどが有名です。その中でもマーベロンはよくニキビ治療に使われます。

いずれにしても、ニキビ跡になってしまうと一生悩んでしまい、人生における積極性を失ってしまうこともありますので、そうならないためにも、もしニキビが悪化したら皮膚科医と共に治療を行ってください。

ひと昔前に比べると、現在の皮膚科では保険適応内で良い塗り薬や飲み薬がそろっています。

そして、美容皮膚科においては自由診療(保険適応外)の治療、例えばケミカルピーリングなどの即効性があるいろいろな治療が確立し、それが広く行われるようになったことでニキビの長期化を予防することができるようになっています。