シナールのニキビ跡改善効果「シミ・色素沈着」に有効な理由

シナール配合錠 シナールとは、ビタミンCとパントテン酸の2種類の水溶性ビタミンが配合されたお薬です。病院において、単純に栄養補給目的で処方されるほか、シミ治療やにきび跡の予防、改善を目的として処方されることがあります。

このお薬は皮膚科などで処方されるほかにも、市販の医薬品としても購入できます。

今回はシナールに含まれるビタミンの効能や副作用、飲み方のポイントなどを解説していきます。

シナールの効果

シナールは、ビタミンCとパントテン酸という2つのビタミンが含まれたお薬です。主な効能の中心はビタミンCの効果によるものです。

成分の配合量

シナール1錠中(=シナール配合顆粒1g中)のビタミンC量は200mg、パントテン酸は3mg配合されています。

ビタミンCの1日あたりの必要量(所要量)は、男女ともに成人は100mgです。また、妊婦は110mg、授乳婦は140mgと通常よりも多く必要になります。一方、パントテン酸の1日の必要量(所要量)は、男女ともに成人5mgです。

有効成分1ビタミンC(アスコルビン酸)

シナールの主成分はビタミンC(アスコルビン酸)です。ビタミンCは、美容や健康にとって不可欠な成分として知られており、肌においてはキズや炎症による損傷、血管の修復を早めたり、メラニン色素の沈着を改善する働きがあります。

例えば、ニキビが強い炎症を起こすと皮膚や血管が損傷し、モヤモヤとしたシミも発生しますが、ビタミンCはそれらを予防、改善する働きがあります。

ビタミンCは、メラニン色素の生成を抑制するため、の悪化を防ぎます。そして、ビタミンCは血管の修復を促す働きがあり、ニキビ跡の赤みの原因となるうっ血の治りを良くします。

また、ビタミンCには、コラーゲンの合成に働き、皮膚、血管、骨を強化する効果や、免疫力を高めて細菌感染、ウイルス感染を予防・改善する働きがあります。

他にも、ビタミンCには抗酸化作用による細胞の酸化・老化を抑制する働きや、鉄や亜鉛、銅などのミネラルの吸収を促進する効果があります。不足すれば、ターンオーバーが乱れてニキビが治りにくくなることは予測できます。

有効成分2パントテン酸

パントテン酸(ビタミンB5) シナールにはビタミンCと共にパントテン酸(ビタミンB5)というビタミンB群に属する水溶性ビタミンも含まれます。

パントテン酸は、エネルギー代謝や抵抗力をつけるために不可欠なビタミンです。パントテン酸も肌の健康にとって重要な役割を担っていて、糖質、たんぱく質、脂質の代謝をサポートして正常なターンオーバーを保持し、ニキビ肌荒れを起こしにくい肌コンディションに導きます。

他にも、パントテン酸は、他のビタミンと共に免疫力向上に働いて感染症を予防します。また、副腎皮質ホルモンの合成を促し、ストレスに対する抵抗力をつける働きもあります。

パントテン酸は、様々な食品に幅広く含まれるビタミンであるため、極端な偏食がなければ不足は考えられませんが、喫煙やストレス、偏食などによっては不足することもあります。パントテン酸が不足すると、ニキビが炎症しやすくなったり、跡が治りにくくなります。

有効な症状や肌状態

ニキビ跡の赤みや色素沈着の画像 病院ではニキビ跡の赤みや色素沈着の緩和の目的でシナールが処方されたりします。ニキビが強く腫れて跡が悪化しやすいような状態になった場合に効果的です。ニキビ治療の場合は保険適応です。

また、免疫低下による風邪や感染症などの回復を早めるために処方されることもあります。他にも、シナールに含まれるビタミンCが鉄分の吸収を高める働きから、鉄欠乏性貧血に対しても処方されることがあります。

ストレスや飲酒で不足しやすい

ストレスの写真 シナールの主成分であるビタミンCやパントテン酸は、ストレスやアルコール、喫煙(たばこ)などによって消耗されやすくなります。ニキビが悪化してデリケートな時期はそれらは控えたほうが無難です。

服用方法

薬を飲む画像 シナールの使用方法は、1回1~3錠を1日1~3回、食後すぐに服用します。ビタミンCもパントテン酸も水溶性であり、摂取しても時間とともに排出されるため、1日数回に分けて摂取するのが理想的です。

また、食後に摂取することで吸収が緩やかになり、より長い持続効果が得られるメリットがあります。シナールは継続して服用することで効果を発揮するので、ニキビ跡を改善したい場合は少なくとも3ヶ月くらいは続けてみましょう。ニキビ跡のメラニンの沈着が治るまで数か月はかかります。

購入するには?

薬剤師から処方薬をもらう画像 シナールは、ニキビ治療などの場合に皮膚科を受診して処方してもらって下さい。保険適応になります。また、ニキビ治療の場合は、他の塗り薬などと同時に処方されることが一般的です。

そして、ニキビ治療の場合はシナール以外のビタミン剤が処方されることもあります。ビタミンB2製剤のフラビタンや、ビタミンB6製剤のピドキサールなどが一緒に処方されることがあります。

薬の形状

病院で処方される形状は、シナール配合錠とシナール配合顆粒の2種類があります。

市販医薬品もある

シナール市販品 シナールには市販医薬品もあります。シナールEXチュアブル錠、シナールEX顆粒などがそれに当たります。他にも、Lシステインを配合したシナールLホワイト錠という商品もあります。

それらの製品は病院で処方されるものとは配合成分に違いがありますが、ビタミンCを主成分としたビタミン剤であることに違いはありません。

シナールの副作用

シナールは水溶性ビタミン剤ですので深刻な副作用の心配はほとんどありません。水溶性ビタミンは、多く摂取しても尿とともに排出されるため過剰摂取のリスクはありません。

ただし、配合されるビタミンCには多く摂取するほど腹痛、下痢を引き起こす副作用があります。これはビタミンC(アスコルビン酸)の酸度によって腸管が刺激されたことで起こる現象です。

下痢が続くことでニキビ肌荒れが悪化してしまう可能性もあります。一方、パントテン酸の場合は、このお薬の含有量レベルでは副作用の心配はありません。