ニキビは単に洗顔不足やクレンジングが不十分なことが原因で引き起こされることがあります。
ニキビの原因の多くが皮脂の増加によるものなので、洗顔によって皮脂をケアしなければニキビにつながる可能性が高くなります。
特に女性の場合はお化粧を落とすためにクレンジングが必要になりますが、メイクが落ちていると思っても実際にはお化粧カスが毛穴に残ってにきびや毛穴のブツブツが多発することがあります。
毛穴がふさがってしまう原因は?
ニキビは毛穴がふさがって皮脂の出口がなくなることで発生します。毛穴がふさがってしまう原因には様々な要因がありますが、主に皮脂量の増加があげられます。
ニキビ発生の仕組み
皮脂の増加によるニキビの発生は以下のように進行します。
1皮脂が増えるとアクネ菌やマラセチア菌などの常在菌が細菌性リパーゼという脂肪分解酵素を分泌して皮脂中の中性脂肪を分解し、遊離脂肪酸を生じます。皮脂量に比例して遊離脂肪酸も増加します。
2遊離脂肪酸は皮脂膜を構成する成分の一つで、肌を雑菌が繁殖しづらい弱酸性にもたらす作用がありますが、一方でしだいに皮膚に対して刺激性が増大する性質があります。
3遊離脂肪酸による刺激によって角質がたくさん作られ、その角質がはがれて毛穴に溜まると、角栓(にきびの芯)が現れるようになります。
4遊離脂肪酸による刺激で皮膚のターンオーバーが進行し、毛包壁が厚くなって毛穴がふさがるようになります。
5塞がった毛穴の内部でアクネ菌という酸素を嫌う常在菌が増加し、それに対して免疫反応を起こすとニキビが赤く腫れるようになります。
ニキビの原因は遊離脂肪酸の酸化
ニキビは皮脂量と共に増加した遊離脂肪酸の刺激が主な原因ですが、遊離脂肪酸の刺激性が増大するのは時間とともに酸化が進行するためです。
皮脂に含まれる遊離脂肪酸には、オレイン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸などの脂肪酸がありますが、そのうちオレイン酸やパルミトレイン酸などの不飽和脂肪酸は酸化されやすい性質があります。
不飽和脂肪三は、時間の経過と共に酸化が進行して皮膚に対して炎症を起こすようになるのです。
最高のニキビ予防法は洗顔
ニキビの原因は、皮脂中の成分が時間の経過と共に皮膚に刺激を与えることが主な要因です。
そのため、皮脂が酸化しないうちに洗顔やクレンジングによって皮脂汚れを落としてターンオーバーが乱れないような環境を維持する必要があります。
特に、性ホルモンの分泌が活発になる思春期から20代前半ごろは皮脂が多く分泌されるため、積極的な洗顔がニキビ予防のポイントになります。
にきびを予防する洗顔のポイント
洗顔は1日何回が理想的?
1日の洗顔回数は肌質によって違いがあります。普通肌の場合は1日に朝と夜の2回の洗顔が理想です。
肌が脂っぽくてニキビができやすい人は1日3回くらいは洗顔して下さい。洗いすぎることでも肌を乾燥させて皮脂分泌を促されてしまうことがあるので注意して下さい。
皮膚科医の中には5~6回の洗顔が必要という医師も
皮膚科医によっては、思春期のニキビケアの場合、1日に5回も6回も洗顔したほうが良いという意見もあります。
基本的な朝と夜の2回のほかに、昼に何度も洗顔したほうが良いという医師は多いです。
ただし、一般に洗顔料には強い脱脂力があり、何度も洗顔をすることで必要な皮脂が奪われて、かえって肌を傷める可能性もあります。
また、肌が乾燥すると、それを補うために皮脂分泌が活発になることもあるので、洗いすぎにも注意しないといけません。
洗顔前には毛穴を開かせる
皮膚を温めると一時的に毛穴が開き、汚れがよく落ちるようになります。洗顔前に熱いお湯を絞ったタオルを顔に当てて毛穴を開かせてから洗顔すると効果的です。
また、お風呂なら湯気がスチーム効果となって毛穴が開き、汚れが落ちやすくなります。
キメ細かい泡をたくさん作る
洗顔時は、キメの細かいたくさんの泡を作って洗顔すると汚れがよく落ちます。キメ細かい泡は皮脂と馴染んで汚れが良く落ちるようになります。
洗顔料を泡立てる前に一度手を石鹸で洗っておくと洗顔料が泡立ちやすくなります。また、ドラッグストアなどで市販されてる「泡立てネット」などを使うと手軽にキメ細かい泡がたくさん作れます。
刺激を与えず優しく丁寧に洗う
キメ細かい泡を作ったら、肌をこすらないように優しく丁寧に洗顔します。泡のクッションを使って肌を刺激しないように洗顔しましょう。
反対に肌が刺激を受けるような洗顔では、肌を保護するためにかえって皮脂が増えたり、シミができやすくなったりします。ニキビは刺激によって悪化するため、洗顔は肌に負担をかけないことが基本です。
オイリー肌の人はダブル洗顔
何度も洗顔してもすぐ脂浮きしてしまうようなオイリー肌の場合はダブル洗顔が効果的です。一度、石鹸などで簡単に洗顔した後に、キメ細かい泡でしっかりと洗顔することで汚れがよく落ちるようになります。
クレンジング不足でも肌トラブルの原因に
クレンジング不足によってもニキビや毛穴ブツブツが発生することがあります。
近年のファンデーションや日焼け止めは密着性が高いものが多いため、通常のジェルクレンジングやミルククレンジングなどではお化粧が毛穴に残ってニキビの原因になってしまうことがあります。
メイクのレベルに合ったクレンジング料を使ってしっかりと汚れを落とす必要があります。
簡単なメイクの場合
ニキビができやすい脂性肌にはパウダーファンデーションだけの簡単なお化粧が理想ですが、パウダーだけのメイクを落とす場合は、クリームタイプや乳液タイプ、または水溶性ジェルタイプのクレンジング料が理想的です。
泡洗顔やシートタイプのメイク落としでは不十分
パウダーだけのお化粧だと一般的な泡洗顔だけでメイクが落とせるように思えますが、実際には毛穴の中のパウダーを落とすことは難しいとされます。クレンジング料を使用して下さい。
また、シートタイプのふき取りメイク落としにおいても、毛穴に入り込んだお化粧は十分に落とせません。また、シートタイプは皮膚を傷つける恐れがありますし、とても洗浄作用が強く、肌に負担が大きい欠点があります。
落ちにくいメイクの場合のクレンジング
落ちにくいメイクにはオイルタイプのクレンジング料がよく落ちます。
皮脂汚れには油を使ったほうがよく馴染んで落ちやすくなるため、皮脂が多くて毛穴汚れが目立つ人は、オイルタイプのクレンジング剤を使ったほうが良いかもしれません。
ただし、オイルタイプのクレンジング料に含まれる界面活性剤(乳化剤)は、セラミドなどの肌の潤い成分を強く奪ってしまい、乾燥を防ぐためにかえって皮脂が増加してしまう可能性があります。
日常的にオイルクレンジングをしていると肌が疲弊してきてニキビ肌荒れを引き起こすこともあります。
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