クレアラシルは、ニキビ治療薬の世界的なブランド。
日本でも販売され、有名なテレビタレントを起用したCMなどにより知名度も高いと思います。
そんなクレアラシルの製品はどんな成分が含まれ、どのような効果をもたらすのでしょうか。
今回は、クレアラシル「ニキビ治療薬クリーム」の有効成分の効能や添加物の性質などをまとめました。
クレアラシル「にきび治療薬クリーム」の全成分
有効成分とその効果
イオウ(硫黄)3%
イオウは、殺菌作用と角質柔軟作用がある成分です。黄色の成分で独特の臭いがあります。
ニキビの原因菌を殺菌し、ピーリング作用によって厚くなった角質を剥がし、毛穴詰まりを予防します。
角質が薄くなることでニキビの芯や膿がでてきやすい状態になるので、治りも早くなります。
古くからニキビに効く成分として使用され、現在でも市販の多くのニキビ薬に配合されています。
レゾルシン2%
レゾルシンは、殺菌作用、角質除去作用がある成分。ニキビ予防や毛穴ケア化粧品に使用されます。
レゾルシンはイオウと似た作用を有し、相性が良いので組み合わせて配合されることが多いです。
実際にそれぞれを単独で使用するよりもニキビの炎症を素早く抑える効果が確認されています。
なので、多くの市販のニキビ薬ではイオウとレゾルシンを配合していたりします。例えば、ピンプリット(資生堂)、エスカメル(佐藤製薬)などもその成分を中心に作られています。
グリチルリチン酸二カリウム0.5%
甘草(カンゾウ)の根や茎から抽出される成分。消炎成分として使用されます。
ニキビや肌荒れを予防・改善する目的でよく化粧品に配合される成分です。
構造的にはステロイドと似ていますが、分子量が大きいのでステロイドのような副作用の心配はほとんどないとされます。
トコフェロール酢酸エステル0.5%
ビタミンE誘導体の一つで、ビタミンEの構造を改良して活用されやすくしたものです。
ビタミンEには抗酸化作用や血行促進作用があり、皮脂の酸化を予防してニキビを防ぎます。
なお、皮脂にも極微量のビタミンEが含まれ、抗酸化作用を示しますが、トコフェロール酢酸エステルにおいても同じような働きをします。
その他の成分(添加物)
- 亜硫酸水素Na・・・品質安定成分。
- ミリスチン酸イソプロピル・・・エモリエント成分として使用感をアップさせます。
- ステアリルアルコール・・・エモリエント剤、乳化剤。
- ベヘニルアルコール・・・基剤、乳化剤、エモリエント成分。
- ワセリン・・・基剤としての役割や、肌を保護して保湿する作用があります。
- 流動パラフィン・・・基剤。また水分の蒸発を防いで水分を保持する作用があります。
- セチル硫酸Na・・・合成界面活性剤(乳化剤)。
- ポリソルベート80・・・非イオン性界面活性剤。刺激性が低い乳化剤です。
- ベントナイト・・・皮脂吸着物質。オイリー肌向けのニキビケア化粧品によく配合されます。
- BG(1,3-ブチレングリコール)・・・グリセリンと同じように広く使用される保湿成分。やや抗菌作用も有します。
- 酸化チタン・・・白色顔料(着色剤として)、紫外線散乱剤。
- 三二酸化鉄・・・顔料(肌色着色料)。
- 酸化鉄・・・顔料(肌色着色料)。
- タルク・・・皮脂吸着成分、品質向上成分。
- ブチルパラベン・・・防腐剤。
- メチルパラベン・・・防腐剤。
クレアラシルにきび治療薬クリームは無香料です。着色剤や界面活性剤は入っています。そして、肌と同じ弱酸性で作られています。
どんなニキビに効くのか?
クレアラシル「ニキビ治療薬クリーム」は白ニキビ、炎症性のニキビに効果的です。
イオウの殺菌作用と脱脂作用により、白ニキビの悪化を抑えながら乾燥させて治していきます。
また、殺菌とピーリング作用により赤ニキビを殺菌しながら厚くなった角質を剥がして治りをよくします。
なお、化膿して病巣が皮膚深くに及んでいる場合は成分が奥に届きにくいのでやや効きにくいと思います。(ただ、これはどんなお薬にもいえることです)。
黒ニキビには使わないほうがいい
炎症を起こしてないニキビ、毛穴に角栓が詰まっただけの黒ニキビの状態にはクレアラシルは使わないほうがいいです。
イオウには刺激性があるので、予防のためとして使い続けると色素沈着を起こしてくることがあります。肌がデリケートな人は特に注意。
ニキビ跡に効く?
クレアラシル「ニキビ治療薬クリーム」はニキビ跡の赤みや色素沈着には効果はありません。
ケロイドやクレーターにも効果なしです。
クレアラシルはニキビ専用の塗り薬
このお薬はニキビ専用のお薬なので、ニキビに対してのみ使って下さい。
他の皮膚病(水虫、マラセチア毛包炎、脂漏性皮膚炎、ヘルペス)などに使うと、症状によっては余計に悪化してしまうことも考えられます。
海外では成分が違う?
クレアラシルは世界的に販売されているニキビ治療薬ですが、日本の製品と海外の製品では有効成分が違うケースがあります。
日本では主に「イオウ」と「レゾルシン」という成分を有効成分としていますが、例えばアメリカのクレアラシル治療薬では「過酸化ベンゾイル(BPO)」という成分が使用されていたりします。
過酸化ベンゾイルとは、酸化剤の一つでニキビ菌に対して殺菌的に作用します。
ニキビの原因であるアクネ菌は酸素がある環境では死滅してしまう性質がありますが、過酸化ベンゾイルを肌に塗布すると分解の過程で発生するフリーラジカル(酸素)によってアクネ菌を殺菌することができます。
その過酸化ベンゾイルは、アメリカでは市販の医薬品に配合することが許されていますが、日本では医師の処方箋が必要となります。
そして、製品ではベピオゲル、デュアック配合ゲル、エピデュオゲルが有名。保険適用。
日本では一般的な市販医薬品に配合することは許されていないので、古くから使用されているイオウとレゾルシンを有効成分として販売されているのです。
アメリカのクレアラシル治療薬は刺激が強すぎる
日本では、過酸化ベンゾイルの処方薬の濃度は2.5~3.0%くらいです。(ベピオゲル、デュアック配合ゲル)
ところが、アメリカのクレアラシルは市販の製品でも過酸化ベンゾイル濃度が10%という高濃度のものが販売されていたりします。(写真参考)
過酸化ベンゾイルは元々刺激が強く、2.5%濃度でも副作用の発現率は約40%だとされます。
そして、アレルギー性接触皮膚炎という最悪の副作用を起こす可能性もかなり高いです。(一般にかぶれといわれる症状です)。
なので、基本的に日本人はアメリカのクレアラシル治療薬は使わないほうがいいです。
日本人は白人と比較しても表皮層が薄くて刺激に弱い傾向があるので、副作用がおきやすいのです。
もし、何らかの機会でアメリカのクレアラシルを使うことがあったら、いろいろ工夫し、濃度が4分の1くらいに薄めて使ったほうがいいです。
塗り方について
クレアラシル「ニキビ治療薬クリーム」は、洗顔後に化粧水で肌を整えた後にニキビに適量塗ります。
朝と就寝前を中心に1日2回、朝と夜の使用が基本です。にきびがない部分に予防として塗ったりしないようにしましょう。
また、目元などの皮膚が薄い部分には不向きです。そして万が一、目に入ったら素早く洗い流しましょう。
この治療薬は、イオウとレゾルシンのピーリング作用によって乾燥したり皮膚が剥がれたりしますが、その症状は化粧水で保湿してカバーして下さい。オイルフリーの化粧水が理想。
そして、角質を剥がす作用があるので皮膚のバリア機能が弱くなってしまいます。そのため、使っている期間は紫外線対策をして下さい。
そもそも日焼けしないほうが跡が改善しやすくなります。
副作用と注意点
- クレアラシルのようなイオウ製品を使い続けると、ヒリヒリした痛みが出てくることがあります。肌が弱い人ほど起こりやすいですが、一時的なものならば使い続けて大丈夫です。一方、刺激が大きくなるなら使用中止です。
- 塗ってすぐにヒリヒリしたり強い赤みがでたら接触皮膚炎を起こしている可能性があるので、使用中止して下さい。
- この製品の主成分のイオウにはピーリング作用があるので、肌が薄くなって敏感になりやすいです。そのため、かゆみがでやすくなります。
- ただし、かゆみが強い場合はアレルギーによるかぶれを起こしている可能性がありますので、すぐに洗い流して使用中止して下さい。
- かぶれがひどい場合は皮膚科を受診したほうがいいです。
- 有効成分のイオウはシルバー製品、指輪、ネックレスなどの銀製品に付着すると変色することがあります。
かぶれてしまったら?
クレアラシルでかぶれたら、おそらく問題となる成分はイオウだと思います。
なので、イオウ剤ではないニキビ薬、例えばオロナイン軟膏などに変更して下さい。オロナインの主成分は市販薬の中でも刺激性が低いメリットがあります。
そして、さらにアレルギー性の炎症をしずめたいのならスキンセーフAPクリームという市販のお薬がよく効きます。
抗炎症成分と抗ヒスタミン成分を含み、刺激性もかなり低いです。
そして、オロナインとスキンセーフAPの2つは組み合わせて使うことができます。塗る順番は、「スキンセーフAPクリーム」→「オロナイン軟膏」の順です。
保管について
クレアラシルは日光が当たらない涼しいところに保管します。
特に冷蔵庫に保管する必要はないですが、そこに入れていても大丈夫です。
評判と口コミ
クレアラシル・ニキビ治療薬クリームの評判を、Amazonや@コスメ、2chから要約してまとめました。
ポジティブな評判
- 赤く腫れたニキビにクレアラシルを寝る前に塗ったら小さくなってた。
- 炎症した赤ニキビに塗った翌日には腫れが小さくなってニキビの芯が表面に出てきた。
- ニキビが腫れそうな部分にクレアラシルを早めに塗ってみたら、翌日には腫れが悪化せずに済みました。
- ニキビがひどくなり始めた高1くらいからずっと使ってます。クレアラシルを使うとニキビが小さくなるのが早くて、私の肌にあってるみたいです。
- 肌色タイプは目立たなくて良い。外出時でも気にならない。
ネガティブな評判
- 塗った翌日には確かにニキビは小さくなってたけど、ニキビの周囲の赤みがひどくなった。
- 白にきびがかえって悪化して赤ニキビになった。
- クレアラシルを塗って1時間ほどするとピリピリするかゆみが現れた。私には合わなかった。
- 伸びが良いが、ややベタベタ感がある。
- 化膿ニキビがたくさんできやすい体質だけど、クレアラシルは他のニキビ治療薬とあまり効果的な違いがなかった。
最後に
クレアラシルの配合成分をみれば、典型的な市販のニキビ薬だと考えていいです。
殺菌とピーリング作用があるイオウとレゾルシン、そして消炎作用があるグリチルリチン酸二カリウムの3つが主成分というのは、市販ニキビ薬としては王道のものです。
そして、イオウなどの濃度もそれほど高くなく、一般的なレベルで配合されています。
なので他の市販薬と比べるとクレアラシルだけが特に使いにくいということはないと思います。
そして、ポツポツとできるくらいの赤ニキビであれば、クレアラシルだけで充分に戦えるお薬だと思います。
ただし、イオウが肌に合わない人も珍しくないので、肌に合わなかったら迷わずに使用中止して下さい。
- ピーリングを10年続けた肌はどうなる?過剰ニキビケア体験談
- 面疔(めんちょう)の原因&治し方まとめ。最も効く皮膚科の薬や市販薬は?
- 皮膚の表皮・真皮・角質層の厚さは何ミリ?各部位の厚みと層数まとめ
- ベピオゲルのにきび減少率と副作用、ヒリヒリする痛みやかゆみの対処についても解説
- メガネ跡の黒ずみ・色素沈着を治す方法は? 予防法と治療方法
- 目・眼球のしみ(結膜母斑)の治療方法とは? 原因と治し方
- 皮膚科のニキビ処方薬「塗り薬・飲み薬」まとめ。保険適用で処方頻度が多い順
- アダパレンゲルの赤ニキビ減少率と副作用。ヒリヒリや皮むけ、かゆみの対処について
- ニキビを潰す方法。ニキビの芯を出す器具と潰していいニキビ写真一覧
- デュアック配合ゲルのニキビ減少率と副作用。痛みやアレルギーのかゆみ対処について