コエンザイムQ10は、体内でも合成されている脂溶性のビタミン様物質です。ユビキノンともいわれます。
また、ビタミンのような働きをすることからビタミンQといわれたりします。
コエンザイムQ10は、若返り成分として注目される物質で、全細胞を活性化し、カラダを若く維持する効果があります。
肌においては美肌効果をもたらし、シミやしわ、ニキビ跡などを予防、改善する働きが期待できます。
今回は、コエンザイムQ10がシミやニキビ跡などに効く美肌効果と、サプリによる摂取のポイントをまとめました。
コエンザイムQ10とは?
コエンザイムQ10は、補酵素として細胞の働きを活発にする働きがあります。細胞内にはミトコンドリアという小器官が細胞一つあたり数百から数千個存在し、全エネルギーの95%を作り出しています。
コエンザイムQ10はそのミトコンドリア内に多量に存在し、ミトコンドリアを活性化させてエネルギーを作り出す働きに深く関与しています。
また、コエンザイムQ10は、優れた抗酸化作用があり、ビタミンEなどと同じように細胞膜を酸化から守る働きを担います。
人間の体にはおよそ60兆個といわれる細胞が存在するとされますが、その細胞すべての保護や活性化をサポートするのがコエンザイムQ10というわけです。
表皮細胞を活性化してターンオーバーを促す
コエンザイムQ10は、肌においては表皮細胞を活性化して、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促し、シミが発生しにくい状態を維持します。
表皮細胞は、表皮内の基底層(きていそう)で生まれ、有棘層(ゆうきょくそう)→顆粒層(かりゅうそう)と押し上げられ、最終的には角質となり、最後は自然に剥がれていきます。
その表皮の生まれ変わりをターンオーバーといいますが、そのターンオーバーが低下してしまうと、メラニン色素が皮膚に残ってしまい、肌のシミが濃く悪化してしまうようになります。これを加齢シミ(老人性色素斑)といったりします。
コエンザイムQ10は表皮細胞内のミトコンドリアを活性化することで、表皮のターンオーバーを活性化し、それによってシミやくすみのない透明感のある明るい肌へと導きます。
新しいシミの予防効果もありますし、種類によってはすでに沈着したシミを薄くできる可能性もあります。
肌細胞の老化を防ぐ
コエンザイムQ10は、優れた抗酸化作用があり、過酸化脂質の発生を防いて細胞膜を保護する働きがあります。老化を促す過酸化脂質を防いで細胞の劣化を阻止する役割を担うのです。
コエンザイムQ10は、細胞の損傷を防いで若々しい身体をもたらします。そして、肌においては表皮細胞の劣化を防ぎます。
表皮は常にターンオーバーを繰り返していますが、表皮細胞が損傷すると正常な細胞分裂が行われなくなり、ターンオーバーに異常が現れて表皮層にメラニン色素が沈着して残ってしまうようになります。
加齢によるシミは、単にターンオーバーが低下しただけではなく、肌細胞の老化と考えることができますが、コエンザイムQ10は肌細胞の老化を防ぎ、若々しい肌を維持します。肌老化によるシミの予防につながるのです。
肌の潤いを高めて炎症じみを予防する
コエンザイムQ10は、肌の保湿力を高めて乾燥による炎症を防ぐ働きがあります。肌の保湿成分の産生をサポートする効果があるのです。
肌の保湿機能を担う成分は、主に細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)、皮脂膜の3つがありますが、そのうち皮膚の保湿貢献度のほとんどが細胞間脂質が担っています。
細胞間脂質は、肌の保湿機能の80%以上を担っているとされますが、その細胞間脂質の主成分がセラミドという物質です。セラミドは角質どうしをつなぎ合わせてバリア機能や水分蒸発を防いでいます。
そのセラミドは、ターンオーバーとともに作られます。また、天然保湿因子などもターンオーバーによって作られます。その肌のターンオーバーを補酵素としてサポートするのがコエンザイムQ10です。
コエンザイムQ10は、表皮細胞が細胞分裂を繰り返すときに作られるセラミドや天然保湿因子(NMF)の合成を高め、肌の乾燥による炎症を防いでシミや色素沈着を予防、改善します。
肌が乾燥すると、肉眼では確認できないレベルの細かな炎症が起こることもあります。皮膚のシミやニキビ跡を予防したり、薄くしたい場合は、必ず肌の乾燥を放っておくようなことはしないで下さい。
しわやたるみを防ぐ
コエンザイムQ10は、しわやたるみといった肌老化の進行を遅らせる効果もあります。しわやたるみは、真皮層においてコラーゲンやエラスチンなどのハリや弾力をもたらす物質が減少したり、変性(劣化)することで発生します。
そのコラーゲンやエラスチンを作り出すのは線維芽細胞という細胞です。コエンザイムQ10は、細胞内ミトコンドリアの働きを良くすることで線維芽細胞の働きを活性化させ、コラーゲンやエラスチンを活発に作り出すように働きかけ、しわやたるみを予防改善します。
線維芽細胞はもともと活動性が低いため、コエンザイムQ10によってすぐには効果は実感できないかもしれませんが、長期的に補うことができれば実年齢よりも若く見えるような肌コンディションに導いてくれるはずです。
年齢によって減少する
コエンザイムQ10は体内でも合成されていますが、20歳代をピークに年々合成力が低下していき、20代と40~50代を比較すると合成能力が半減してしまうといわれています。
コエンザイムQ10の合成力が低下した場合は、食事から摂取することもできますが、食品においてはコエンザイムQ10が豊富に含まれているものは少ないです。そのため、コエンザイムQ10は、サプリメントを利用するのが理想です。
サプリでコエンザイムQ10を摂取するポイント
コエンザイムQ10は体内でも合成されていますが、20歳代をピークに年々産生力は減少します。食品においても十分な効果を得られるような含有量をもつ食材はありません。
そこで、コエンザイムQ10を補うのに効果的なのがサプリメントです。コエンザイムQ10のサプリを使用すれば手軽に効率的に補給することができます。
還元型コエンザイムQ10が理想
コエンザイムQ10のサプリメントには、酸化型コエンザイムQ10と、還元型コエンザイムQ10の2種類があります。このうち、体内で有効に働くのは還元型コエンザイムQ10です。
人間の血中に含まれる9割近くが還元型コエンザイムQ10であり、その形になることで補酵素として細胞を活性化する働きをもたらします。
そのため、コエンザイムQ10のサプリメントを利用する場合、還元型コエンザイムQ10を選ぶのが理想です。ところが、一般的にコエンザイムQ10のサプリメントというと酸化型のコエンザイムQ10を配合していることが多いです。
理由は技術的な問題と製造コスト的な問題です。実際に還元型コエンザイムのサプリメントは価格が少し高いです。
酸化型コエンザイムQ10でも基本的には問題はないのですが、体内で有効に働く還元型コエンザイムQ10として効力を発揮するには、摂取した後に体内酵素の力で酸化型を還元型に変換する必要があります。
若い時期は酸化型を還元型に換える能力が高いのですが、年齢を重ねるとその酵素の働きも低下するため、せっかくサプリメントで摂取しても酸化型が還元型へと変換されにくくなり、十分な効果が得られない可能性があります。
また、還元型に変化させるときに余計なエネルギーが必要となります。補酵素を補っているのに、酵素を消耗してしまうという結果になることもあるのです。
そのため、体内で効力を発揮する還元型コエンザイムQ10そのものを選ぶのが理想的だといわれています。
一般にコエンザイムQ10のサプリに「還元型」と表記されていないものは酸化型コエンザイムQ10です。還元型コエンザイムQ10のサプリには必ず還元型と表記されています。注意して購入して下さい。
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1日の適量
コエンザイムQ10のサプリによる1日の摂取量は、30~100mgが目安です。コエンザイムは脂溶性の成分で蓄積性があるため、過剰に摂取する必要はありません。また、脂溶性の物質であるため食後に摂取しましょう。
ビタミンCと一緒にとる
コエンザイムQ10は、ビタミンCとの相性が良い性質があります。それらは共通して抗酸化能力があり、相乗効果をもたらします。また、ビタミンCはメラニンを抑制してシミやを改善する効果があります。
コエンザイムQ10を摂取するときは、ビタミンCが不足しないようにして下さい。ビタミンCは、グレープフルーツやオレンジ、レモン、イチゴなどの果物や、キャベツ、ほうれんそう、ピーマンなどの野菜類に多く含まれます。
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