ダイエットや偏った食生活によって慢性的に栄養が不足すると、新陳代謝が乱れて肌荒れを起こすことがあります。
また、脂肪分の多い食生活をおくっていると皮脂分泌が活発になってニキビができやすくなることがあります。今回は食生活とニキビ肌荒れについてです。
食生活の乱れによるニキビ肌荒れ
極端なダイエット
極端な偏食やダイエットによって食事制限をすると、栄養不足に陥って新陳代謝を大きく乱します。
人間の身体は炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランス良く摂取して正常な生理機能を維持することができますが、栄養が不足することで代謝機能が低下してしまい、肌においてはニキビ肌荒れなどを引き起こすことがあります。
特に、肌はたんぱく質からできているので、食事制限中でもたんぱく質は不足しないようにしなければいけません。
また、ビタミンは補酵素、ミネラルは体内酵素として機能する新陳代謝には不可欠な成分であるため、ダイエット中でも不足しないようにする必要があります。
動物性脂肪は皮脂分泌を活発にする?
一般に高脂肪の食生活になると皮脂が増えてにきびができやすくなります。特に脂肪分の中でも肉や乳製品などの動物性脂肪は男性ホルモンを増やして皮脂分泌を促してしまう働きがあります。
男性ホルモンを促すのは動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸は男性ホルモンの原料となるコレステロールを増やすことで男性ホルモンの増加を促してしまうのです。
男性ホルモンはニキビの大きな要因であり、例えば思春期に皮脂が増加するのも男性ホルモンの増加が大きく関与しています。
そのため、ニキビ体質の人は動物性脂肪が少ない食事が理想です。肉よりも魚を選んだり、脂身が多い国産牛よりも赤身が多い輸入肉を選んだりして工夫しましょう。
スナック菓子や加工食品は体に悪い?
スナック菓子やインスタントラーメンなどもニキビの原因になることがあります。
スナック菓子や油揚げインスタント麺は酸化されにくいパーム油が使用されることが多いですが、パーム油は皮脂分泌を促す飽和脂肪酸が多く含まれます。
パーム油は飽和脂肪酸が多くて酸化しにくいメリットがあるため加工食品によく使用されるのですが、そのパーム油に含まれる飽和脂肪酸が男性ホルモンの原料であるコレステロールを増やして男性ホルモンも増加させてしまいます。
それによって皮脂が増加してにきびができやすくなってしまう可能性があります。
また、油脂の多い加工食品は時間の経過とともに酸化が進行してしまうので、食事の影響が肌に現れやすいアトピー肌や敏感肌の人は肌荒れが悪化してしまうことがあります。
ニキビ肌荒れが気になる人はスナック菓子や油揚げ麺などの油脂の多い加工食品は控えたほうが無難です。
油脂で加工処理された食品には、酸化を防止するために主にビタミンEのような抗酸化成分が配合されていますが、それでも時間が経過するほど酸化が進行しています。
また、インスタントラーメンでは、「油揚げ麺」が身体に悪影響があることから、油で加工処理されていない「ノンフライ麺」の製品も増えています。
甘い食べ物はニキビを悪化させる?
ケーキやチョコレートといった甘い食べ物を慢性的に食べていると、ニキビを悪化させる原因になることがあります。
慢性的に糖分の摂取が多くなると、常に血糖値が高い状態が続くため免疫機能が低下することがあり、ニキビも長引いて治りにくくなることがあります。
実際に甘い食べ物が好きな人はニキビだけではなく擦り傷や切り傷、毛包炎などでも化膿しやすくなります。
また、糖分の過剰摂取は血中ビタミンや血中カルシウム濃度などのバランスを乱します。ニキビ肌に悩む人は甘い食べ物はできるだけ控えたほうが良いでしょう。
偏食や過食はビタミンやミネラル不足に陥る
ダイエット中や、好き嫌いが多い偏食の人は、食べる食品が限られるため、どうしてもビタミンやミネラルが不足しがちです。
また、過食の人においてもビタミンやミネラルがより多く消耗されるため、それらが不足することがあります。
ビタミンやミネラルが不足することでニキビ肌荒れを引き起こすこともあります。そのような場合はサプリメントを利用するのも一つの方法です。ビタミンを補うだけでニキビ肌荒れが劇的に改善する人もいます。
ニキビ肌荒れに効くビタミンはビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、ビタミンCなどです。皮膚科医はニキビ治療に対してはビタミンB2やB6を処方することが多いです。
ビタミンB2、B6は脂質の代謝に関与するため、不足すると肌が脂っぽくなったりすることがあります。肌の悩みが気になる人はビタミンB群を中心に摂取して下さい。
野菜不足がにきび肌荒れの原因に
野菜が不足し、肉中心の食生活を続けていると男性ホルモンが増えて肌が脂っぽくなる原因になります。
反対に、野菜が多い食生活は男性ホルモンを減らしてニキビなどの肌トラブルの少ない肌へと導くことができるといいます。野菜は一日あたり300gを目安に緑黄色野菜や淡色野菜をバランスよく摂取しましょう。
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