eCO2(エコツー)のニキビ跡治療効果「クレーター」改善に効く?

eCO2エコツー 「eCO2(エコツー)」とは、美容整形が盛んな韓国のルートロニック社が開発したCO2フラクショナルレーザーというレーザー治療器をいいます。

フラクショナルレーザーとは、レーザーによって皮膚に対して点状のダメージを与え、そのダメージを修復するために放出される成長因子(細胞増殖因子)によって、皮膚の入れ替えやコラーゲン増生を促すレーザー治療機器です。

自然治癒力を利用した治療だといえます。このエコツーがニキビ跡の凹みに対して高い改善が期待できます。

フラクショナルレーザーには、皮膚を削る「アブレイティブタイプ」と、皮膚を削らない「ノンアブレイティブタイプ」があります。CO2フラクショナルレーザーはアブレイティブタイプに属します。簡単にいうとダメージが強い反面、ニキビ跡のクレーターに対して高い効果が得られます。

「フラクショナル(英語:fractional)」とは、分散的、部分的という意味があります。皮膚に対して全体的に照射するのではなく、分散的に照射するのが特徴です。

eCO2のしくみ

フラクショナルレーザーの原理 eCO2(エコツー)は、CO2フラクショナルレーザーの一つで、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を応用したものです。

炭酸ガスレーザーの波長は水分に吸収されやすい性質をもち、皮膚に含まれる水分に吸収されて皮膚を削ったり、穴をあけたりすることができます。

その炭酸ガスレーザーを肌に対して分散させて点状に照射し、皮膚に無数の微細な穴をあけていくのがフラクショナルレーザーです。

すると、皮膚に開いた穴を修復するためにサイトカインや成長因子が放出され、その成長因子が線維芽細胞を活性化させて皮膚の入れ替えやコラーゲン増生を促します。

線維芽細胞はコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す細胞です。

ニキビ跡のクレーターは、ニキビの炎症によってコラーゲン線維などが萎縮して凹形に瘢痕化した状態ですが、その瘢痕組織そのものを入れ替えて正常化し、さらにコラーゲンの増加を促すことでニキビ跡の凹みを改善して平らな肌に導きます。

単にコラーゲンを増加する治療ではなく「皮膚の入れ替え」を促すことによって瘢痕そのものが改善され、一度ニキビ跡の凹みが改善されれば再発することはありません。また、分散的に照射することで皮膚に対するダメージが限定的で、色素沈着を起こすようなことはありません。

フラクショナルCO2レーザー「eCO2」の効果まとめ

フラクショナルレーザー
  • エコツーのようなCO2フラクショナルレーザーの最大の効果は皮膚の入れ替えを促すことです。一度の治療で10~20%の入れ替えが期待できます。ただし、治療方法によって効果に違いがあります。
  • コラーゲンの増加を促す。傷が修復される過程でコラーゲン増生が活発になります。一度の治療でコラーゲン量が倍近くになるといわれています。
  • 肌の入れ替えとコラーゲン増生によってニキビ跡の凹みだけではなく、しわ・たるみなどのエイジングケア効果が期待できます。

適応する症状

  • ニキビ跡のクレーター、陥没瘢痕。
  • しわ、たるみ、小じわ、肌老化、エイジングケア。
  • 開いた毛穴、帯状毛穴、キメの乱れ。
  • 傷跡(外傷、リストカット、手術跡など)。
  • 肥厚性瘢痕。(進行性があるケロイドには不向き)。
  • 妊娠線、肉われ。

他の治療機器との違いは?

eCO2(エコツー)と同じように、ニキビ跡クレーターに効果があるCO2フラクショナルレーザーは他にも「アンコア(ブリッジセラピー)」や「スマートサイドドット」、「CO2RE(コア)」などの機器があります。

これらのレーザー機器の違いを気にする人も多いようですが、基本的にどれも作用や効果は同じだと考えます。結局、基本原理であるCO2レーザーの水に吸収されやすい性質を利用した方法であるため、どの機種においても大きな違いはありません。

フラクショナルレーザー

問題は肌質やニキビ跡の状態に対して、どのくらいのレベルのパワーで照射するかどうかの違いであり、それは医師の判断にゆだねられます。

医師の判断ミスで高すぎる出力でレーザー照射してしまって色素沈着を起こしたりするケースもまれにあります。

eCO2の施術内容とアフターケア

治療内容・施術の流れ

Step1施術前は洗顔・クレンジングによって肌の汚れを落とす。

Step2皮膚に麻酔をかける。30~40分ほど。また、麻酔後にアイスパックなどで冷やすとさらに痛みが和らぎます。

Step3目を保護するためのゴーグル、アイシールドを装着する。

Step4エコツー照射。ニキビ跡の凹みやシワなどの部位に照射してきます。麻酔をしていても強い痛みを感じることがあります。

Step5皮膚に穴が開いて美容成分の浸透が良くなっていますので、病院によっては追加で成長因子やプラセンタ美容液を皮膚に塗布することもできます。

Step6施術後は、皮膚を冷却クールダウンさせ、最後に保湿して終了です。

Step7施術後はお化粧は控えます。お化粧ができるとしている病院もありますが、実際にはこの治療はダメージが非常に強いため、肌に負担をかけないことが基本です。

eCO2の施術動画

eCO2を使用した治療の映像(YouTube)。


レーザー照射により肌が点状に白くプツプツした状態になります。これは肉眼では確認できないレベルで肌が削られたことによるもの。
eCO2レーザーの照射


eCO2の効果をビフォーアフター写真。
eCO2の効果のビフォーアフター写真

ニキビ痕の鋭い凹みがなだらかになり、光によって濃い影ができなくなります。つまり、目立たなくなります。

アフターケア

フラクショナルレーザー後の点状のカサブタの画像

  • eCO2の施術後すぐには赤みが現れ、出血をすることもあります。また、赤みは数日間続くこともあります。そのため、施術後はお化粧、洗顔・クレンジングなどの肌に負担になる行為はできるだけ控えましょう。
  • 施術後から数日かけて点状のカサブタができます。これを無理に剥がしたりしないようにしましょう。自然に剥がれるまで待ちます。
  • 保湿は通常よりもしっかり行う必要があります。保湿によって肌の再生力が高くなります。
  • 施術後は紫外線対策をしましょう。紫外線そのものに浴びないようにしましょう。
  • 治療時間の目安

    エコツーの施術時間は、レーザー照射時間は10分ほどです。洗顔や麻酔などを含めると全体で約1時間ほどが目安です。

    治療回数の目安

    エコツーの施術回数は、浅いニキビ跡の凹みの場合は1~3回ほど、深いにきび跡の凹みであれば3~5回以上が目安です。一度の治療で効果が実感できなくても、施術を繰り返すことで効果が実感できるはずです。

    治療料金の目安

    エコツーの施術費用は病院によって大きく異なりますが、部分的な施術で2~3万円ほど、顔全体では5万円ほどが目安です。例えば頬だけのニキビ跡クレーター治療であれば1~2万円くらいの価格で受けられる病院もあります。

    副作用と注意点

    • 何度も何度も治療を行ってもニキビ跡の凹みの改善が見られないケースもあります。皮膚が厚い人や瘢痕レベルが深い場合は効果の実感がわからないこともあります。
    • エコツー施術後から数日は皮膚が赤くなることがあります。生活や仕事に余裕があるときに行うべきです。
    • 赤みが現れますので、顔を大きく覆えるマスクを用意しておくと良いと思います。
    • 妊娠中は原則的に治療を行うことができません。
    • ケロイド体質の人はエコツーのようなCO2フラクショナルレーザーを使用した治療は不向きです。ただし、肥厚性瘢痕(進行性のない盛り上がった傷跡)には効果が期待できます。ケロイドや肥厚性瘢痕などの状態に対する治療判断は難しいところがあります。
    • 強い日焼け、肌荒れ、治ってない皮膚病、糖尿病などがある場合、皮膚科医の判断によって治療が適さないことがあります。
    • 敏感肌、極端な乾燥肌、アトピー肌などはそもそも治療が適しません。アトピーの場合、症状が悪化する可能性があります。