肌が乾燥すると毛穴が目立ってきます。また、乾燥によって大人のニキビが多発してしまうこともあります。
肌の乾燥の原因は様々ありますが、主な原因の一つにセラミド不足があげられます。
セラミドとは?
セラミドとは、細胞間脂質の主成分で角質どうしをつなぎ合わせて水分を保持する働きや、外部からの刺激物質や細菌・ウイルスなどを皮膚内に侵入させないようなバリア機能としての働きがあります。
角質層はわずか0.02~0.03ミリほどの厚さしかありませんが水分保持機能として重要な役割を担います。
その角質層の保湿成分の主役が細胞間脂質で、その主成分がセラミドです。このセラミドが不足すれば肌は乾燥し、毛穴が開いてきたり、湿疹やかゆみなどを引き起こすことがあります。
セラミドが不足することでアトピー性皮膚炎が悪化することもあります。アトピー性皮膚炎の原因の多くはアレルギーだといわれていますが、セラミド不足によるバリア機能の低下によってアレルゲンが侵入しやすくなると考えられています。
セラミドは皮脂よりも水分保持能力がある
肌の水分量を保持する物質にはセラミドのほかに「皮脂」や「天然保湿因子(NMF)」、「ヒアルロン酸」などがあります。
皮脂は毛穴とつながった皮脂腺というところから分泌され、皮脂膜をつくって水分蒸発を防いでいます。天然保湿因子(NMF)は、アミノ酸、尿素、乳酸などから構成され、セラミドとともに角質層の水分量を高める作用があります。ヒアルロン酸は保湿機能や血管が通っていない表皮の栄養や老廃物を運搬する働きがあります。
様々な潤い成分によって肌の水分量が保たれていますが、そのなかでもセラミドは特に優れた保湿機能を有しています。角質層の水分量のうち約80%以上がセラミドなどの細胞間脂質によって守られています。
一方、皮脂は2~3%ほどの水分保持能力しかありません。乾燥肌の人に油分やアミノ酸などで保湿するよりも、直接セラミドを補うほうが劇的に水分量が高まり、肌にも柔軟性がでてくるといわれます。
ひと昔までは肌が乾燥する原因は、皮脂が不足して水分を閉じ込めることができないからだと考えられていました。そして1980年代ごろからセラミドの存在や性質が知られるようになり、肌の乾燥や毛穴の開きの原因がセラミド不足だといわれるようになりました。
セラミドを補うには?「セラミド増加方法」
洗顔しすぎない
セラミドは石鹸や洗顔フォーム、クレンジングなどによって洗い流されてしまいます。また、お湯の温度が高ければ高いほどセラミドが失われてしまいます。
そこで、肌が乾燥しやすい人はぬるま湯か冷水での洗顔を増やすようにしましょう。朝は水洗い洗顔、夜は石鹸洗顔といったように石鹸や洗顔料を使わない洗顔を取り入れてみましょう。セラミドの減少が抑えられれば毛穴が縮小して肌のキメも整ってくるはずです。
セラミドは化粧品で補うことができる
セラミドが配合されている化粧品を使って直接肌にセラミドを補うこともできます。近年はセラミドが配合されている商品が増えており、セラミドが配合された化粧品を利用すれば肌は滑らかな状態に改善し、毛穴の開きも目立たなくなるはずです。
人間の皮膚には数種類のセラミドが存在することが確認されていますが、そのうち保湿力が高いのは「セラミド1」「セラミド2」「セラミド3」の3つです。それらが配合されている化粧品を選ぶのがポイントです。
植物性セラミドといった化粧品もよく見かけますが、人間の皮膚に存在するセラミドとは違うものです。ただし、保湿効果がそれなりに高いことには違いありません。
セラミドを含む食品を摂取
食品からセラミドを摂取することで、皮膚のセラミド量もアップするといわれています。セラミドが多く含まれる食品は、こんにゃく、黒ごま、ひじき、ごぼう、小麦、大豆、キビ、ほうれんそう、米などです。
セラミドを摂取しても肌への影響はないのではないかと指摘されていましたが、実際にセラミドを摂取すると肌のセラミド量が増加することが確認されています。
βーカロテン(ベータカロテン)はセラミドの生成を高める
βーカロテンにはセラミドの生成を高める働きがあるといわれています。ベータカロテンは抗酸化物質として酸化からカラダを守ってくれる成分なので、積極的に摂取したいところです。
βーカロテンは人参、トマト、カボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれます。
βカロテンの含有量が多い食品(可食部100gあたり)
にんじん:9200μg、トマト:550μg、しゅんぎく:4400μg、小松菜(生):3250μg、モロヘイヤ(生):9500μg、ほうれんそう(生):4100μg、しそ:10500μg、パセリ:7300μg、ピーマン:410μg、にら:3600μg、ブロッコリー:800μg、かぼちゃ: 3900μg
運動をすることでもセラミド合成が高くなる
運動によって血行を促すことでセラミドなどの潤い成分の分泌が高くなります。ウォーキングやジョギングなどの軽く汗をかけるようなレベルの運動が理想です。運動によって肉体的な疲労を起こすことで寝つきが良くなり、熟睡できるようになるメリットもあります。
運動によってセラミドだけではなく天然保湿因子(NMF)などの分泌も増加します。肌の潤いを高めるためには運動は不可欠です。
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