毛穴のたるみは、毛穴に影が出来て顔がくすんで見えてしまう原因になります。
主に、重力に向かって毛穴が縦形に開いているのが年齢による毛穴たるみの特徴ですが、近くで見ると老けた印象を与えてしまうことも。
今回はその毛穴がたるんでしまう原因と、改善方法をご紹介します。
毛穴のたるみの原因は?
加齢によるハリや弾力の減少(コラーゲンの減少)
皮膚のハリや弾力を生み出すコラーゲンやエラスチンなどの線維組織は、10~20代前半をピークにゆるやかに減少していきます。それらが減少すると肌にハリがなくなって毛穴がたるんでしまうことがあります。
40~50代のコラーゲン合成能力は、10~20代の約半分程度にまで低下するといわれています。
紫外線による肌老化
紫外線は肌細胞に強いダメージを与えます。特に紫外線A波は波長が長く、肌の深部にまで届いて真皮内のコラーゲンやエラスチンなどの組織を変性させ、しわやたるみを進行させます。
また、紫外線は皮脂を酸化させて肌への刺激性が強い過酸化脂質へと変化させる要因です。過酸化脂質による刺激によってターンオーバーが乱れたり、炎症を起こして毛穴がすり鉢状に変形してしまうことがあります。紫外線は毛穴の開き、毛穴のたるみをまねく大きな原因の一つです。
一説によると、肌老化の8割が紫外線による老化(光老化)といわれており、加齢による肌の悩みの多くは紫外線によってもたらされるとされます。
喫煙・タバコが毛穴のたるみの原因
タバコを吸うと体内で活性酸素が大量に発生します。その活性酸素は身体を酸化させて老化を促します。肌においてもコラーゲンやエラスチンなどを変性させて長期的にはしわやたるみを引き起こします。
また、喫煙はビタミンを大量に消耗させ、特にビタミンCやビオチンなどのビタミンを多く消費させます。
ビタミンCは補酵素としてコラーゲンの合成に関与し、ビオチンもたんぱく質の代謝に関与するため、それらが消費されて不足することで肌老化が進行してしまうことがあります。
ストレスによっても肌老化が進行する
慢性的なストレスは生理機能を低下させて老化を促す要因です。ストレスが老化を促す活性酸素を発生させ、生理機能の低下によって活性酸素を処理する能力が低下することで細胞がダメージを受けやすい体質となってしまいます。
また、女性の場合、女性ホルモンの分泌が低下して老化が進行してしまうようになります。(女性ホルモンは、コラーゲン合成を促す働きがあります)。
表情筋の衰えが原因の毛穴のたるみ
顔の筋肉(表情筋)が衰えると肌全体が重力に向かってたるむことがあります。それに伴い、毛穴までも重力の方向にたるみ、毛穴が縦に開いてくるようになることがあります。顔の筋肉が動かないような無表情な生活を続けると、顔の筋肉の衰えが早くなります。
毛穴のたるみ対策とコラーゲン増加方法
肌老化の進行を抑制するには、食事、運動、睡眠の3つに気を配ることがポイントです。
運動するとコラーゲンが増加する
運動によって身体に適度な負荷をかけることでコラーゲン増生を促すことができます。コラーゲンは皮膚だけではなく骨にも多く存在し、骨の芯となってカラダの構造を支えています。身体に負荷をかけて骨に刺激を与えることでコラーゲン合成が活発になるとされます。
たとえば、宇宙飛行を終えた宇宙飛行士の、骨密度、筋力、皮膚のハリや弾力を調べると著しく低下していたといいます。無重力状態では体に刺激や負荷が全くかからないため、コラーゲンや筋力の合成力が衰えてしまうそうです。
また、運動によって成長ホルモンの分泌が高くなります。成長ホルモンはたんぱく質の合成に関与し、コラーゲンの合成を促します。他にも、運動はストレス解消にもつながります。
理想的な運動は、息が切れないほどの緩やかなジョギングや、軽い筋力トレーニングが理想的です。激しい運動はかえって老化を加速させてしまうことがあります。高齢の場合は負担の少ないウォーキング・散歩が理想です。
表情筋(顔の筋肉)を鍛える
普段から顔の筋肉を動かして表情筋が衰えないようにすれば、肌のたるみの進行を抑えられ、毛穴のたるみも抑えられます。日頃からよく笑い、よく話し、食事の際はよく噛むことを心がけると効果的です。表情筋トレーニングをするのも良いと思います。
良質なたんぱく質を摂取
コラーゲンはたんぱく質でできています。そのため、コラーゲンの原料となるたんぱく質は不足しないようにしたいところです。ダイエットなどで極端な食事制限をしていると美肌にとってマイナスです。しわやたるみなども現れやすくなります。
ビタミンCはコラーゲン生成を促す
コラーゲンは線維芽細胞という細胞が作り出していますが、ビタミンCは線維芽細胞の働きを活性化し、コラーゲンの増生を促進させる働きがあります。(ビタミンCが不足した状態ではコラーゲンが十分に合成されません)。
ビタミンCは、イチゴやみかんなどの果物類や野菜類に多く含まれています。サプリメントを利用する場合は、一日あたり300~500mgを目安に摂取しましょう。(ビタミンCは摂取しすぎると軟便や下痢を引き起こすことがあります)。
ビタミンCが多い果物類(可食部100g中)
イチゴ:74mg、オレンジ:67mg、みかん:37mg、グレープフルーツ:44mg、レモン:48mg、キウイフルーツ:85mg、 柿(かき):71mg、パパイア:51mg、パインアップル:29mg
ビタミンCが多い野菜類(可食部100g中)
ほうれん草:58mg、キャベツ:48mg、モロヘイヤ:64mg、ピーマン:71mg、パセリ:118mg、こまつな:38mg、かぶ(葉): 86mg、ブロッコリー:123mg、トマト:16mg
良質な睡眠を
一日の中で皮膚が最も活発に再生される時間帯は睡眠時です。睡眠時には成長ホルモンが分泌され、それによって肌細胞やコラーゲンなども活発に作られるのです。肌や毛穴のたるみをまねかないように、一日7~8時間を目安に良質な睡眠を心がけるようにしましょう。
就寝前1時間は間接照明にして部屋の明かりを少なくすると、メラトニンというホルモンの分泌が高くなり、寝つきがよくなって深い睡眠を得られるようになります。
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