納豆は、大豆を納豆菌で発酵させた発酵食品です。たんぱく質、糖質、脂質をバランスよく含み、さらにビタミンやミネラル、食物繊維なども豊富に含まれることから健康効果の高い食品として認識されています。
そして、納豆は美肌効果もあると考えられており、にきびなどの肌トラブルにも効果が期待できるかもしれません。
納豆の美容効果
納豆100gあたりの栄養価
カロリーと3大栄養素
エネルギー:200kcal、炭水化物:12.1g、たんぱく質:16.5g、脂質:10.1g
ビタミン
ビタミンA:0μg、ビタミンB1:0.07mg、ビタミンB2:0.56mg、ビタミンB6:0.24mg、ナイアシン:1.1mg、パントテン酸: 3.6mg、葉酸:120μg、ビオチン:18.2μg、ビタミンC:0mg、ビタミンD:0μg、ビタミンE:0.5mg
ミネラル
カルシウム:90mg、リン:190mg、マグネシウム:100mg、カリウム:660mg、ナトリウム:2mg、鉄:3.3mg、亜鉛: 1.9mg、銅:0.62mg、セレン:16μg
その他
食物繊維:6.7g、大豆イソフラボン:70mg
一般に、スーパーなどで販売されている納豆1パックは40~50g程度です。そのため、納豆1パックは上記の約半分の栄養価となります。
納豆にはビタミンB2が豊富に含まれる
納豆にはビタミンB2が豊富に含まれます。ビタミンB2は、健康的な肌作りにおいてとても重要なビタミンB群に属する水溶性ビタミンです。
納豆100gあたりでは0.56mg、納豆1パック約50gでは0.28mgのビタミンB2が含まれます。ビタミンB2の1日の必要量が1.0~1.2mgであるため、納豆1パック50gで1日の約2~3割のビタミンB2を補えます。
ビタミンB2の効果
- 糖質、たんぱく質、脂質の代謝を促す。
- 細胞の再生やエネルギー代謝を促す。
- 過酸化脂質を分解し、老化・生活習慣病を予防する。
- 健康的な肌、爪、髪を作り、成長を促進する。
- 皮膚や粘膜を保護する。
- 皮脂分泌をコントロールする。
ビタミンB2はターンオーバーを整え、肌細胞の分化・分裂を促すために不可欠な栄養素です。不足すると、肌が脂っぽくなりニキビができやすくなることがあります。
特に鼻のわきにフケが増加することがあります。ニキビ治療に対してビタミンB2製剤を処方する皮膚科医も多いくらい重要なビタミンです。
納豆には食物繊維が豊富に含まれる
納豆には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維はビフィズス菌などの善玉菌のエサとなって腸内環境を善玉菌優位の状態に導く働きがあります。
食事から摂取するよりも腸内細菌が作り出すビタミンが重要なものがあるため、美肌を維持するためには腸内環境を維持することが重要です。
食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分けられますが、納豆はそれらを以下のように含有します。
納豆の食物繊維量
納豆100g食物繊維6.7g(不溶性食物繊維4.4g、水溶性食物繊維2.3g)
納豆1パック(50g)食物繊維3.3g(不溶性食物繊維2.1g、水溶性食物繊維1.2g)
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の違い
不溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維は、腸で水分を吸収して大きくふくらみ、便の量を増やして腸を刺激し、蠕動運動を活発にして便通を促進します。
- 大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などの善玉菌が増加して腸内環境がよくなります。(整腸効果)。ただし、水溶性食物繊維より発酵性は少ないとされます。
水溶性食物繊維
- 水に溶けやすく、ドロドロとしたゲル状になって腸内をゆっくり移動します。
- 食べ物の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
- 大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などの善玉菌が増えて腸内環境がよくなります。(整腸効果)
一般に、便秘体質の人は水溶性食物繊維の量を増やし、下痢体質の人は不溶性食物繊維を増やしたほうが良いとされます。
納豆菌の整腸作用
納豆菌とは、枯草菌(こそうきん)の一種で、主に稲ワラや枯れ草などにも住む普遍的に存在するごくありふれた菌です。納豆菌は非常に生命力が強く、胃酸にも耐えて生きたまま腸にまで届くとされます。
乳酸菌やビフィズス菌などはヨーグルトや整腸剤などとして外から補っても胃酸によって死滅してしまいますが、納豆菌の場合は胞子を形成するため、過酷な環境下でも死滅しにくい性質をもちます。
生きたまま腸に届いてビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす整腸作用があると考えらえているのです。腸内環境が良くなることで肌のコンディションも良くなり、ニキビの改善も期待できます。
大豆イソフラボンを含有する
納豆は大豆イソフラボンという成分を含有します。大豆イソフラボンは、ポリフェノールの一種で、女性ホルモン(エストロゲン)と構造が似ていることからエストロゲン様作用があります。
大豆イソフラボンは植物性エストロゲンといわれ、不足した女性ホルモンを補う効果があるため、女性のニキビや肌荒れの改善が期待できる可能性があります。
大豆イソフラボンの過剰摂取でエストロゲンが減少する?
個人差がありますが、大豆イソフラボンはあるレベルまでの摂取では効果が確認されていますが、一方である一定のレベルの摂取を超えて多く摂取すると、かえってエストロゲンが減少して逆効果になる可能性があります。
そのため、食品安全委員会では一日あたりの大豆イソフラボンの摂取目安量を約30mgとし、上限値を70~75mgとしています。大豆イソフラボン30mgは納豆1パック(約40~50g)に当たります。
日本人の一般的な食生活では納豆、豆腐、味噌、醤油などの大豆食品を豊富に摂取しており、意識しなくても日常的に大豆イソフラボンを多く摂取しているといわれています。納豆などの大豆食品をよく食べる人は今まで以上に積極的に摂取する必要はありません。
大豆イソフラボンを多く含む食品・食べ物(可食部100gあたり)
大豆(乾):140mg、納豆:70mg、豆腐:20mg、凍り豆腐:85mg、しょうゆ:1mg、味噌:50mg、豆乳:25mg、 湯葉:200mg、きな粉:260mg
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