普段はニキビはできないのに、胃腸の調子が悪化するとニキビができるという経験をしたことはないでしょうか?
実際に胃炎や胃もたれ、消化不良などを起こしたりすることでニキビができやすくなるといった人は多いようです。
今回は、胃腸の悪化とニキビ肌荒れの関係や、その対処法をご紹介します。
胃腸の悪化とニキビ肌荒れの関係
消化不良がニキビの原因に
胃腸の調子が悪くなって消化不良が続くと、ニキビ肌荒れが悪化しやすくなることがあります。
消化不良によって下痢を起こすこともありますが、下痢が続くと栄養不足に陥ってしまうことがあります。
身体のエネルギーを作り出すには糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよく摂取する必要がありますが、下痢が続くことで栄養の吸収が悪化してしまい、エネルギーを作り出すことが難しくなるのです。
消化不良によってエネルギーが作られにくくなると、肌の新陳代謝にも悪影響を及ぼし、ニキビ肌荒れを起こしたり、にきび跡も治りにくくなってしまうことがあるのです。
下痢によってビタミンの吸収が悪くなる
消化不良によって下痢が続くことでビタミンやミネラルの吸収も悪化するようになります。
ビタミンは補酵素として肌のターンオーバーをサポートする働きがあり、不足することで肌の調子を悪くしてしまいます。
特にビタミンB群は、皮脂をコントロールする作用や皮膚炎を予防する働きがあるため、ニキビ体質の人は不足しないように注意しなければいけません。
また、ミネラルにおいても肌作りに関与する酵素の構成成分となるものが多いため、不足することでニキビ肌荒れが慢性的になることがあります。
下痢によって一部のビタミンが不足する
ビタミンは基本的に食事から供給されていますが、実は多くのビタミンは腸内細菌によっても作られています。肌の健康に不可欠なビタミンB1、B2、B6、ビオチンなども腸内細菌が作り出しています。
そのため、胃腸の働きが悪化して下痢や便秘が続いたりすれば、腸内細菌バランスも乱れてビタミンの供給が悪化してしまう可能性があります。
そして、ビタミンの中には食事から摂るよりも腸内細菌が作り出す方が利用率が高い種類があります。
例えば、ビオチンという皮膚炎を予防するビタミンは様々な食品に含まれますが、食品に含まれるビオチンはタンパク質と結合しているため吸収率が悪いとされます。
一方、腸内細菌が作り出すビオチンは遊離型なので吸収が高いです。つまり、腸内細菌のビタミン作りをサポートするには腸内環境を整えて便秘や下痢にならないようにする必要があるのです。
胃の働きの悪化と口周りのニキビの関係
胃痛や胃炎、胃もたれなどによって胃の働きが悪化した人は、特に口の周りにニキビが発生しやすいといわれます。
実際に、食べすぎや飲みすぎによる胃痛などを感じると、翌日に口周りにニキビができてしまうという人は多いです。
胃の問題と口周りのニキビの関係は詳しく明らかになっていませんが、内蔵機能の問題が皮膚の調子を乱してしまうのはよく見られる現象です。
特に、口周りの皮膚は薄くデリケートであるため、消化器系に問題が発生すれば真っ先にニキビのような影響が現れてしまうのかもしれません。また、ニキビではない皮膚炎である可能性もあります。
胃腸不良はストレスが原因
胃腸の働きが悪化する原因は、多くがストレスによるものです。ストレスは自律神経を乱して胃腸の働きを悪化させます。
そのストレスは肌においてはターンオーバーを乱すことや、皮脂を増やす男性ホルモンを増加させる原因となるため、それによってニキビが発生してしまうのかもしれません。
胃炎や胃もたれそのものが原因で皮脂が増加することはなくても、ストレスが原因となって皮脂が増加してニキビが増えることは考えられます。
カルシウムサプリの過剰摂取
サプリなどでカルシウムをたくさん摂取している人は消化不良が起こりやすくなります。
カルシウムは胃酸を中和する働きがあり、消化を悪くしてしまいます。消化に時間がかかって身体全体の血流が悪くなり、肌の調子が悪くなったりします。
慢性湿疹やアトピー悪化の原因になる
特に、肌が弱い敏感肌の人やアトピー性皮膚炎のようなデリケート肌の人は、胃腸の調子が肌に現れやすいようです。また、粘膜に異常が現れて口内炎を起こすこともあります。
胃の働きを高めるには?
ストレスをためない
胃腸のような消化器系はストレスによって影響を受けやすい特徴があります。ストレスは自律神経を乱しますので、胃腸の働きも乱すようになります。そのため、ストレスは溜めないように上手に発散するようにしましょう。
- ストレスは運動が効果的です。爽快感があるような軽く汗をかくような運動によってストレスホルモンが大きく減少することがわかっています。
- 友人とおしゃべりをすることでもストレスは解消されます。1~2時間ほどの会話で十分なんだそうです。またカラオケなどで大きな声を出すこともストレス発散に良いようです。
- ゆっくりお風呂につかってリラックスすることでストレス解消につながります。
- 十分な睡眠はストレスを大きく改善してくれます。
運動を心がけて下さい。
運動によって胃腸の働きが良くなります。また、運動は血行を促進して新陳代謝を高めニキビ跡の治りを良くしてくれます。
食べ過ぎ、飲みすぎに注意
食べ過ぎや飲みすぎは胃腸に大きな負担をかけ、胃炎や胃痛、胃もたれの原因となります。食べすぎによって消化不良を起こして下痢を起こすこともあるため、食べすぎには注意して下さい。
特に就寝前の食べ過ぎや飲みすぎは熟睡を阻害して成長ホルモンの分泌を悪化させます。肌の生まれ変わりが滞るとニキビの治りも悪化させてしまう可能性があります。
できれば、胃の中に食べ物が残っていない状態で睡眠に入るようにしたいところです。
お酒はほどほどにする
お酒の飲みすぎは神経を緩ませて胃の働きを低下させます。特にビールなどの冷たいお酒は胃を収縮させて消化不良を起こしやすくなります。また、アルコール自体が胃炎の原因になることがあります。
そして、アルコールの毒性を解毒するためにたくさんのビタミンやミネラルが消耗され、それが慢性的な肌荒れとなったり、にきび跡も治りにくくなることがあります。
お酒によって皮膚病が治りにくくなることは良くある現象なので、アルコールは適量にして下さい。
ダラダラ食いはしない
テレビやパソコン、スマホを扱いながらダラダラと食べていると消化不良を起こすことがあります。ご飯を食べている時は他の作業を止めて食事に集中するようにしましょう。
冷たい飲み物は避ける
食事中に冷たいものを飲むと、胃が収縮して消化不良を起こし、下痢の原因になることがあります。冷たい飲み物は胃の活動を低下させますので、胃腸が弱い人はビールやジュースなどは避けたほうが理想です。
唐辛子で下痢することも
唐辛子やワサビなどの刺激物は食欲を促す働きがありますが、刺激物は腸管を刺激して下痢を起こすことがあります。
また、唐辛子に含まれるカプサイシンには交感神経を刺激してサブスタンスPという伝達物質を発生させ、皮脂分泌を促したり、炎症を悪化させる原因となってしまいます。
ニキビに悩む人は唐辛子やワサビ、からしなどの刺激物は避けたほうが良さそうです。
薬で消化酵素を補う
体質的に胃腸が弱く、食べ物を消化する働きが弱い人もいます。そんな人は消化剤を服用して消化酵素を補うのも一つの方法です。
糖質、タンパク質、脂質の3大栄養素を消化する酵素が含まれたお薬が理想です。
病院を受診して消化力が落ちていると医師に伝えれば、消化剤を出してくれると思います。病院の処方薬ではパンクレアチン、エクセラーゼ、アリーゼSなどがあります。保険適応です。
また、市販薬では「新タカヂア錠」という消化薬が有名です。
タバコは吸わない
たばこを吸うことで血管が収縮し、消化不良をまねくようになります。喫煙は交感神経を活性化させて消化器系の働きを阻害してしまうため、胃腸の調子が悪い人は避けたほうが良いでしょう。
また、タバコの煙に含まれる有害物質が胃粘膜を刺激することで胃炎になってしまうこともあります。
そして、喫煙は毛細血管を収縮させて血流を悪化させ、肌のターンオーバーを乱してしまいます。それによってニキビが悪化したり、ニキビ跡の赤みやシミが治りにくくなることがあります。ニキビ予防のためには禁煙が基本です。
姿勢を整える
猫背などの姿勢が悪い人は胃腸が圧迫されることで蠕動運動が低下し、胃の膨満感が現れやすくなったり、消化不良を起こしやすくなったりします。猫背になると自律神経の働きが低下するため、姿勢を正すように心がけて下さい。
筋トレで筋肉をつける
胃下垂の人は胃腸の活動性が低い傾向があり、消化不良を起こしやすいとされます。胃下垂になってしまう原因の一つが大幹部の筋力の衰えです。
身体の中央部の筋力が弱いことから胃が下垂するようになります。そこで腹筋運動などの筋トレによって内臓周りの筋肉を強化するようにして下さい。
胃炎の多くはピロリ菌が原因
胃酸や胃粘液の減少による消化不良の原因の一つがピロリ菌です。ピロリ菌は胃酸や胃粘液の分泌を抑えますので消化不良を引き起こす原因となってしまいます。
また、ピロリ菌は胃粘膜にダメージを与え続けて胃炎や胃潰瘍、そして長期的には胃がんの原因になります。
胃の調子が悪い人や消化不良を起こす人、胃痛を感じやすい人などは、ピロリ菌に感染している可能性がありますので、一度検査してもらうと良いと思います。ピロリ菌に感染している人は非常に多いのです。
ピロリ菌に感染しているかどうかを検査するには、呼気検査、血液検査、内視鏡検査などがあります。呼気検査は保険適応で最も簡単に検査できる方法です。
そして、ピロリ菌が確認された場合の除菌治療は、抗生物質と制酸薬を併用した治療が一般的です。治療期間は1週間で、大半の人が除菌に成功します。
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