ニキビケア化粧品の有効成分一覧

にきびケア用化粧品に使用される主な有効成分と、その他の保湿成分の性質の一覧です。

簡単な説明ですが、ぜひ参考にして下さい。

殺菌作用・抗真菌作用がある成分

イオウ
石油の精製過程で得られる黄色の粉末状の成分。ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌する作用があり、ニキビの化膿を予防します。また、角質を柔らかくして古い角質を取り除く働きにより、ニキビの芯・膿が排出されやすくなります。主にニキビ肌用の化粧品に使われますが、病院ではカンフル剤と組み合わせて「イオウカンフルローション」として処方することも多いです。

イソプロピルメチルフェノール
殺菌・抗真菌作用がある成分です。殺菌作用や真菌(カビ)を抑制する作用があることから、ニキビ肌用化粧品や、フケや痒みを抑制するヘアケア製品に使用されます。配合規制があります。

サリチル酸
殺菌作用があり、ニキビの炎症を治します。また、角質を柔軟にして古い角質を取り除く作用があり、ニキビの芯や膿の排出を促します。配合量によって肌への作用が異なりますが、主にニキビケア化粧品として使用されます。マクロゴールという基剤を組み合わせた「サリチル酸マクロゴールピーリング」というケミカルピーリングにも用いられることがあります。

ピオニン
ニキビの原因になるアクネ菌の繁殖を抑える働きがある成分です。主にニキビ肌用化粧品に微量配合されます。

抗炎症作用・消炎作用がある成分

アラントイン
消炎作用を中心に皮膚の傷を正常に治癒する働きや、細胞を増殖する作用があり、主にニキビや肌荒れを改善するための化粧品に配合されます。

グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
甘草の根から抽出される成分。抗炎症作用、抗アレルギー作用があり、主にニキビや肌荒れを改善する目的の化粧品に配合されます。他にも、フケ症を予防するヘアケア製品にも多用されます。

グリチルレチン酸ステアリル
甘草の根から抽出されるグリチルリチン酸をさらに酸で分解して得られる成分。強力な抗炎症作用があり、主にニキビや肌荒れ目的の化粧品に配合されます。

オウバクエキス
キハダの樹皮から抽出した抗菌・保湿効果のある成分。抗菌作用の他、過剰な皮脂分泌を抑制する働きもある。

毛穴引き締め(収れん)成分

ハマメリスエキス
ハマメリスの葉から抽出したエキス。収れん作用、消炎効果があり、毛穴を引き締めたり、肌を健やかに保つ働きがあるため、さっぱりタイプのニキビケア化粧品によく配合されます。

エゾウコギエキス
エゾウコギの根から抽出されるエキス。収れん作用や細胞活性作用があるため、アンチエイジング目的の化粧品に多く用いられます。

クエン酸
柑橘系の果物に含まれている有機酸。毛穴収れん作用や角質柔軟作用もある。また、肌のpHを調節する効果もあるため、化粧水などの多くの化粧品に配合される。

シラカバエキス
シラカバから抽出されるエキス。フラボノイドなどを含み、収れん作用、抗炎症作用などの効果がある。

チャエキス(緑茶エキス)
緑茶から抽出されるエキス。抗酸化作用、収れん作用、抗炎症作用などがあり、ニキビケア・毛穴ケアを目的としたさっぱりタイプの化粧品やデオドラント製品に配合されます。

ホップエキス
ホップから抽出されるエキス。収れん作用、殺菌作用があり、主にさっぱりタイプのニキビ肌用化粧品に配合されます。

角質剥離作用・ピーリング効果のある成分

グリコール酸
サトウキビのブドウの実や葉などの含まれる成分。角質の柔軟、剥離作用があるため、角質ケアを目的とした洗顔料や化粧水などの化粧品に使用されます。また、ケミカルピーリング治療でもピーリング剤として用いられます。

乳酸
牛乳やデンプンなどから合成される成分。配合量により肌への作用に違いがあり、少ない場合は角質の柔軟成分として、多い場合は角質剥離剤として古い角質を除去する目的で利用されます。

サリチル酸
角質を柔軟にして古い角質を取り除く作用があり、ケミカルピーリングにも用いられる成分。また、殺菌作用があるので、ニキビ肌用の化粧水にも用いられます。マクロゴールという基剤と組み合わせたサリチル酸マクロゴールピーリングというケミカルピーリングにも使用され効果をあげています。

レチノイン酸(トレチノイン)
ビタミンAの誘導体で、生理活性はビタミンA(レチノール)の数十倍ある成分。角質剥離作用や表皮細胞増殖作用などにより、毛穴が詰まりにくい肌質へと導き、ニキビの芯やニキビの膿の排出を促す働きがあります。また、メラニンの排出する目的でシミ・色素沈着治療にも使用されます。

ニキビ跡のシミに効く美白成分

リン酸アスコルビルMg・リン酸アスコルビルNa
ビタミンCをリン酸基と結合させて安定と吸収性を高めた成分。リン酸型にすることによって皮膚がもつ酵素によってビタミンCが細胞内に取り込まれやすくなります。ビタミンCの抗酸化作用により、皮脂の酸化、ニキビ、シミ、色素沈着などに有効です。また、皮脂分泌を抑制してオイリー肌を改善します。

アルブチン
コケモモや西洋ナシなどの植物の葉や皮に含まれる成分。色素細胞内でメラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素の働きを抑制する作用があり、主に美白化粧品に使用されます。「α-アルブチン」と「β-アルブチン」がありますが、美白効果はα-アルブチンが高いといわれています。

プラセンタエキス
主に豚や馬の胎盤から抽出して精製された成分。成長因子(細胞増殖因子:グロースファクター)を含み、新陳代謝を活発にし、若返り効果が期待できます。また、メラニン色素を抑制する働きがあるため、美白やエイジングケア目的の化粧品に使用されます。イオン導入で用いられることが多いです。

エラグ酸
タラの実などの多くの植物に含まれる成分。メラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素の働きを抑制して、しみ・そばかす・色素沈着をできにくくする働きがあります。

コウジ酸
お酒などを発酵させる際に使用するコウジカビの培養液から抽出される成分。メラニン色素を合成するチロシナーゼ酵素の活性を抑制する作用があるため、主に美白化粧品に配合されます。

油溶性甘草エキス
甘草の根から抽出された油溶性のエキス。主成分であるグラブリジンには、メラニン色素の合成するチロシナーゼ酵素を阻害する作用があり、その効果はビタミンCやコウジ酸などより高いとされます。

オウゴンエキス
コガネバナの根(オウゴン)から抽出した成分。抗菌作用、抗炎症作用とともに美白効果もあるため、肌荒れケアを目的とした化粧品だけではなく、美白化粧品にも配合されます。

保湿成分

セラミド(セラミド2、セラミド3)
皮膚の角質層で潤いを保つ細胞間脂質の主成分です。水分との馴染みが良い特殊な脂質で、水分蒸発を防いだり、角質層どうしをつなぎ合わせてバリア機能を高めたりする働きがあります。皮膚の潤いの多くが細胞間脂質が作り出しているとされており、このセラミドが不足すると肌荒れ、乾燥、湿疹などをまねくことがあります。

グリセリン
水分を吸収して水分を保持する効果があり、保湿効果に優れる成分です。グリセリンは化粧品に多用される成分の一つです。無色で粘性があるため、製品の硬さや粘度を出すためにも用いられますが、配合量が多くなると皮膚に刺激を与えてしまう特徴もあります。

BG(ブチレングリコール、1.3ブチレングリコール)
水分を吸収して水分を保持する作用があり、皮膚への悪影響の心配が少ないため保湿成分として幅広く利用されています。ビタミンCの酸化を防いでくれる性質もあります。少し粘性がありますが、使用感は比較的サラっとしていてべたつきは少ないです。

PG(プロビレンクリコール)
水分を保持して保湿する効果があるため、主に乾燥から肌を守る化粧品に配合されます。

PEG-20(ポリエチレングリコール1000)
水分を溜め込む吸湿作用があり、保湿成分として化粧品に広く配合されています。

加水分解コラーゲン
皮膚表面で保護膜をつくり、外敵からのバリア機能を高め、肌荒れを防いで健康的な肌を維持する成分。豚の皮などから酸やアルカリ、酵素を使って加水分解した水溶液。

ヒアルロン酸Na(ヒアルロン酸ナトリウム)
人間の皮膚にも存在する非常に保湿力が高い成分。ヒアルロン酸は1gで6リットルの水分を含むことが可能で刺激が少ないため、保湿を目的として化粧品に多く利用されています。ただし、配合量が多くなるほど肌内部の必要な水分まで奪ってしまう。

コンドロイチン硫酸Na
ムコ多糖として真皮にも含まれる成分で、可溶性で高い粘質性により保湿効果が高い。主にサメの軟骨から抽出されて精製されています。

水溶性コラーゲン(加水分解コラーゲン)
皮膚にも存在する成分。分子が大きいため真皮にまでは浸透しないが、肌となじみやすく皮膚に保護膜をつくって外敵から肌を守る働きがや水分蒸発を防いで水分量を高める効果をもちます。

セリン(L-セリン)
角質層中の天然保湿因子NMF中に遊離アミノ酸として存在する。セラミドほどは保湿効果は高くないが、天然保湿因子の中では水分を保つ効果が高く、肌に柔軟性やハリを与える作用もあります。乾燥肌向け化粧品に多く配合されている成分。

ソルビトール(ソルビット)
刺激性が少ないため保湿目的成分として多くの化粧品に配合されている成分。

乳酸Na
肌の角質層に存在する天然保湿因子(NMF)の一つ。保湿効果とともに角質柔軟作用があります。

マンニトール
保湿効果により化粧品に多く配合される。また、ビタミンなどの安定剤としても用いられます。

リジン(Lーリジン)
肌の角質層に存在する天然保湿因子NMFの一種。水分保持だけでなく皮膚にハリや弾力、柔軟性を与える効果がる。また、肌荒れ防止に有効で保護クリームや軟膏などにも多く利用されています。

ローヤルゼリー
皮膚細胞の活性化する効果があるため、新陳代謝を促進などのアンチエイジング目的の化粧品に配合されていることが多い成分。また、ビタミンやアミノ酸などを豊富に含有しています。

尿素
皮膚の角質層に存在する天然保湿因NMFの一つ。保湿効果が高く、創傷治癒作用、細胞活性作用があり、保湿クリームやハンドクリームなどの化粧品に多く利用されます。

油脂成分・エモリエント成分

アーモンド油
アーモンドの種子から抽出されるオイル。オレイン酸を多く含み、保湿効果とともに肌の柔軟性を高める作用があります。

アボカド油
アボカドの実から抽出されるオイル。肌との馴染みが良く肌を柔らかくする効果があり、保湿効果の高い化粧品に用いられます。

オリーブ油
オリーブの果実から抽出されるオイル。肌への浸透性が良く、保湿効果だけではなく角質柔軟効果も高い成分です。

ブドウ種子油
ブドウの種子から抽出されるオイル。リノール酸やビタミンEが多く含まれていて、保湿効果の高い化粧品に配合されます。

ミネラルオイル
石油を精製して得られるオイルで、「流動パラフィン」とも呼ばれます。低刺激性で浸透性がよいので、乳液や保湿クリームなどを中心に様々な化粧品に広く使用されます。石油の精製技術が未熟だった時代では油焼けを起こすリスクがありましたが、現在では技術進化によってそういったリスクはほぼなくなっています。

ミンク油
ミンクの皮下脂肪から抽出した脂を精製したオイル。肌への浸透性や柔軟性に優れています。

ユーカリ油
ユーカリの葉から抽出される精油。保湿作用や血行を促進する効果があり、乳液やハンドクリームなどの化粧品に用いられます。抗菌効果や収れん効果もあるとされ、デオドラント化粧品にも配合されます。

リノール酸
様々な植物油から抽出される脂肪酸の一つ。角質層に存在する細胞間脂質の主成分であるセラミドの構成成分でもあり、保湿効果に優れ、肌の乾燥を防いで角質層を柔軟に保つ働きがあります。

オレイン酸
天然の油を加水分解して得られる脂肪酸の一つ。肌への馴染みを向上させるためにクリームなどの化粧品に配合されます。ただし、オレイン酸はニキビができやすくなる欠点があります。

カロットエキス(カロット油)
ニンジンの根から抽出されるオイル。保湿効果や血行促進作用、皮膚代謝促進効果などがあります。

スクワラン
深海サメの肝油(スクワレン)を精製したオイル。人の皮脂にも含まれる成分で肌に馴染みやすく、肌の水分量やバリア機能を高める働きに優れています。また、スクワレンよりも酸化されにくい性質をもつ。保湿クリーム、リップクリームなどに配合されることが多いです。

ワセリン
石油から精製された半固形状の保湿剤で、肌を保護して乾燥を防ぎ、バリア機能を高める働きがあります。低刺激性であるため、美容クリーム、リップクリームなどの化粧品や医薬品などの軟膏の基剤にも用いられます。