ニキビの炎症が強くなるほど、治った後の皮膚の赤み、色素沈着などの症状が強く現れます。
また、ニキビの炎症が進行すると皮膚が破壊されてニキビ痕のクレーター状の凹みとして残ってしまうことがあります。
そういったにきび跡の肌トラブルを総合的に改善する治療方法の一つに「フォトRF」という治療があります。
フォトRFは皮膚のハリをもたらしながら、色素性病変の改善を促す治療です。
フォトRFとは?
フォトRFとは、イスラエルのシネロン社が開発したAurora(オーロラ)やe-maxなどの機種を使用した治療名です。
それらはIPL(インテンス・パルス・ライト)という特殊な光と、RF(ラジオ波:高周波エネルギー)を組み合わせた機器。
それぞれを単独で照射するよりも光治療(IPL)と高周波エネルギー(RF)を2つ組み合わせて照射することで、様々な肌の悩みに対して総合的な効果を得られます。
IPLと高周波(RF)は以下のような特徴があります。
IPL(インテンス・パルス・ライト:光エネルギー)
IPLは、幅広い波長をもつ特殊な光。その波長は黒い色素や赤い色素のどちらにも反応しやすい特徴があります。
黒い部分への反応
黒い色素のシミ、そばかす、色素沈着などのメラニン性の色素性病変に対応します。
赤みへの対応
皮膚の赤み、具体的には赤ら顔、毛細血管拡張、ニキビ跡の赤みといった血管性の皮膚病変などにも対応します。
IPLはいろいろな肌の悩みに対して総合的に作用するのがメリットです。
RF(ラジオ波:高周波エネルギー)
RF(高周波)は、真皮層にエネルギーを与え、線維芽細胞を活性化させてコラーゲンやエラスチンなどの増生を促進させます。
そのため、しわ、たるみ、小じわなどの肌老化に対して大きな効果を得ることができます。
また、皮膚にハリをもたらすため、にきび跡の凹み(クレーター)、老化による皮膚のデコボコなどにも有効です。
他にも、高周波エネルギーが毛根にダメージを与えて主に産毛などの脱毛効果があるとされます。ただし、実際にはその効能は非常に弱いです。
フォトRFの効果
- フォトRFのIPLの波長はメラニンにもヘモグロビンにも吸収されやすいため、シミ、そばかす、色素沈着だけではなく、皮膚の赤み、毛細血管拡張、にきび跡の赤みなど幅広い症状に効果があります。
- フォトRFのIPLの光エネルギーと高周波エネルギーが真皮層にまで熱エネルギーを与え、線維芽細胞の活性化を促してコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの増生を促す。
- コラーゲン増生効果によって、皮膚のデコボコ、にきび跡の浅いクレーター状のへこみ、しわ、たるみ、小じわの改善を促す。ただし、深いにきび跡のへこみや、進行した皮膚のたるみ、深い皺の場合は、期待したような効果は得られにくいかもしれません。
- IPLと高周波エネルギーが毛根にダメージを与え、産毛に対する脱毛効果が期待できます。ただし、一時的なもので永久的な効果は難しいです。
適応症状
- しみ、くすみ、皮膚の黒ずみ、そばかすなどのメラニン性の色素沈着に対する美白効果。
- 皮膚の赤み、赤ら顔、毛細血管拡張。
- にきび治療、にきび跡の皮膚の赤み。
- 毛穴のたるみ、開いた毛穴、キメの乱れ。
- 産毛や白髪のムダ毛処理、体毛処理。(太く濃い毛には不向き)。
- 肌質改善、総合的なエイジングケア。
フォトRFはニキビ跡の凹みに効く?
フォトRFはコラーゲンの増生を促す作用がありますが、ニキビ跡のクレーターとなると改善効果は低いです。
ほとんど効果が実感できないかもしれません。フォトRFはニキビ跡治療というよりも、ニキビ跡を含む総合的なエイジングケアとして有効な治療です。
ニキビ跡の凹みとともに、シミやしわがある場合にフォトRFは適しています。
治療内容
Step1カウンセリングによって肌の悩みを診断。
Step2施術前に洗顔、クレンジングによって肌の余分な汚れを落とす。(皮膚の汚れが残っていると十分な効果は得られません)。
Step3アイシールド、ゴーグルなどを装着して目を保護する。
Step4冷却ジェルを塗布する。
step5目的の部位に照射していく。 強い痛みを感じることがあります。我慢できるレベルの痛みですが希望の場合は麻酔クリームなどで表面麻酔をしてくれると思います。
Step6照射後はジェルをふき取り、洗い流す。
Step7皮膚のほてりを抑えるために、アイスパックなどで冷却する。
Step8化粧水などで肌を整えて終了です。
Step9お化粧をして帰宅することもできますが、肌に負担をかけないために施術後当日はお化粧しないほうが理想です。
フォトRFは、ケミカルピーリングなどで古い角質を除去してから行うとさらに治療効果は高くなるとされています。
施術は動画で確認
以下の動画はフォトRFを行っているもの。e-maxという機種。
アフターケア
- 施術後は必ず紫外線ケアをしましょう。
- 治療後はいつもよりも保湿スキンケアをしましょう。(保湿によって回復が早くなります)。
- しみ、色素沈着の治療では、フォトRF照射後にシミが一時的に濃くなったりすることがあります。これは正常な過程であり、最終的にはカサブタになって自然に剥がれていきますが、カサブタを無理に剥がしたり、刺激を与えたりしないようにしましょう。
- フォトRF照射後に皮膚にほてりや赤みが出ることがあります。(時間の経過とともに治まります)。
治療時間の目安
施術時間は、照射時間だけでは10分ほどが目安です。その他、洗顔やクールダウンを含めると30分ほどはかかります。麻酔をする場合はさらに時間を要します。
治療回数の目安
フォトRFの施術回数は、にきび痕の赤みやシミ、ソバカスの治療にはには1~3ヶ月おきに5回程度が目安です。
しわ、たるみ治療の改善については半年~1年おきに一度のペースといった期間をあけた治療が理想的です。これはコラーゲンを作り出す細胞の働きがもともと活発ではないためです。
一度の治療で効果が現れなくても、治療を継続することで効果を実感できるはずです。
治療料金の目安
フォトRFの治療料金は、病院によって異なりますが1回あたり1~3万円程度が目安です。
治療面積やショット数(照射回数)によって費用が違ったりします。当然、保険適応外です。
フォトRFの副作用や注意点
- 施術前に日焼けしているとフォトRF治療が受けられない可能性があります。
- 光過敏症や妊娠中では治療を受けることができません。(妊娠中は女性ホルモンの影響でかえって肌トラブルが発生しやすくなります)。
- 肌荒れ、湿疹、切り傷、擦り傷などの皮膚病変がある場合は、フォトRF治療を受けられないこともあります。
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