スターラックス1540のニキビ跡凹み治療効果と副作用

スターラックス1540 スターラックス1540とは、レーザーを皮膚に点状に照射して熱ダメージを与え、そのダメージから回復する時に放出される細胞増殖因子によって、皮膚の入れ替えやコラーゲン増生などを促す治療法です。

単にコラーゲン増生を促すエイジングケア治療ではなく、新しい皮膚との入れ替えを促し、ニキビや外傷による傷跡・瘢痕組織を正常化して凹凸のない滑らかな肌へと導きます。

スターラックス1540は、フラクセルやアファームなどと同じ作用原理を有するフラクショナルレーザーの一つです。

作用原理

フラクショナルレーザーの原理 スターラックス1540は、波長1540nm(ナノメートル)の無数の細かいレーザーをドット状に照射します。たくさんのレーザー光によって皮膚に対して肉眼では確認できないほどの微細なダメージを与えてきます。

皮膚の表面全体ではなく点状に極小のダメージであるため、色素沈着などのリスクがなくダウンタイムも限られます。

皮膚がダメージを受けると成長因子(細胞増殖因子)が放出され、皮膚の入れ替えが促進されます。そして、ニキビによって硬く萎縮した瘢痕組織(ニキビ跡の陥没の正体)の入れ替えが促され正常化されていきます。

また、コラーゲン増生も促されることでニキビ跡のクレーター状に凹んだ皮膚が平らな状態になっていきます。開いた毛穴などにも有効です。

スターラックス1540の効果まとめ

フラクショナルレーザーによるニキビ跡治療
  • スターラックス1540はレーザー照射によって意図的に熱ダメージを与え、その後に促される成長因子によって皮膚を入れ替えていきます。そして、ニキビ跡の硬く萎縮した瘢痕組織を柔軟にして正常化します。
  • 一度の施術で目安として10%ほどの皮膚の入れ替えが実現できるとされます。
  • 成長因子の放出によって線維芽細胞が増加し、コラーゲンやエラスチンなどを増生させてニキビ跡の陥没クレーターを改善します。(線維芽細胞はコラーゲンやエラスチンなどを合成する細胞です)。
  • ニキビ跡の浅い凹みに有効です。深いニキビ跡のクレーターには期待したような効果が得られないこともあります。

適応症状

  • ニキビ跡のクレーター、陥没凹み。
  • しわ、小じわ、ちりめんじわ。
  • シミ・色素沈着(種類による)。
  • 毛穴の開き、毛穴のたるみ、キメの乱れ。
  • 肌質改善、総合的なエイジングケア。
  • 成熟瘢痕、肥厚性瘢痕。(進行性のあるケロイドには不適応)。
  • 傷跡(外傷跡、リストカット跡など)。

フラクセルやアファームとの違い

スターラックス1540と同じような治療に、「フラクセル」や「アファーム」があります。

それらもフラクショナルレーザーに分類される治療で、美肌効果、にきび跡の凹みといった治療に対して効果が期待できますが、効果としてはどれも大きな違いはないと思います。

いろいろ説明を聞いていると効果が違うように思えるのですが、結局は同じ波長域のレーザーを使って、単に肌に微細な熱ダメージを与えるだけのレーザー治療なので、効果としては大差はありません。

肌を削ってしまう治療ではない

フラクショナルレーザーの中には、肌を蒸散(削る)してより高い効果ももたらすものがあります。

CO2レーザー(炭酸ガスレーザー:波長10600nm)を使ったものと、エルビウムヤグレーザー(波長2940nm)を使ったものがそれに当たります。

それらはダメージが強いのでより大きな回復力をもたらし、そのためコラーゲン増加や皮膚の入れ替えの効果が高いとされますが、一方でダウンタイムも長くなるのが欠点です。

赤みが残ったり、まれに色素沈着を起こす可能性が高くなります。

一方、スターラックス1540はそのような皮膚を削るような治療ではなく、単に肌に熱ダメージを与え、それによる回復によってコラーゲン増加を期待するものですのです。

そのため、効果は限定的ですが、赤みやカサブタといった術後の問題も少ないのが特徴です。

治療手順

Step1カウンセリングによって肌状態を診断。施術日も決定する。

Step2施術前は、洗顔・クレンジングによって肌の汚れを落とす。

Step3麻酔クリームで表面麻酔をする。

Step4目を保護するためのゴーグル、アイシールドを装着する。

Step5スターラックス1540レーザー照射。アイスパックなどで皮膚を冷やして行うと痛みが和らぎます。

Step6照射後はお化粧して帰宅することができますが、施術当日はできるだけ肌への負担を抑えたほうが良いと思います。

施術動画

治療内容は動画を見たほうがわかりやすいと思います。船橋ゆーかりクリニックのYouTubeの映像。


治療風景。レーザーのヘッドを肌に当てて照射していきます。
スターラックス1540の治療風景


次に治療24時間後の肌の状態。点状のぷつぷつが頬全体に広がっています。これが最終的にカサブタとなり、自然に剥がれていきます。
フラクショナルレーザー術後24時間後

だいたい、カサブタは1週間くらいは自然に剥がれます。カサブタが取れてしばらくすると肌の表面のテクスチャーが明るくなったと感じることができるようになります。

アフターケア

フラクショナルレーザー後の点状のカサブタの画像
  • 施術後数日は肌がデリケートになっていますので、洗顔やクレンジング、お化粧はできるだけ控えたほうが良いです。
  • 施術から数日かけて点状に薄いカサブタができます。これを無理に剥がしたりしないようにしましょう。
  • 治療後はいつもよりも保湿スキンケアをこころがけましょう。保湿をすることで肌の再生力が高まります。
  • 術後は普段よりも紫外線対策をしましょう。

治療時間の目安

施術時間は顔全体で10~15分ほどが目安です。

治療回数の目安

治療回数は、ニキビ跡のクレーター治療の場合は1~3か月に1回ペースが目安です。浅い凹みの場合は2~3回、深いにきび跡の凹みには5回以上が目安です。ニキビ跡のような成熟瘢痕を改善するには治療回数を重ねる必要があります。

治療料金の目安

スターラックス1540の施術費用は、頬のクレーター治療では1回あたり1~2万円くらいが目安です。治療範囲が広くなるほど施術価格が高くなっていきます。

スターラックス1540の副作用と注意点

  • 個人差がありますが施術後に赤みが現れます。お化粧でカバーできるレベルです。赤みは時間の経過と共に改善していきます。
  • 妊娠中は治療を受けることができません。妊娠期は身体的にデリケートで、女性ホルモンの影響で肌トラブルが起きやすくなります。
  • 強い日焼け、アトピー性皮膚炎、湿疹、肌荒れ、皮膚病などがある場合、医師の判断によって治療が受けられないケースもあります。

治療後に凹みが悪化したように見えるのはよくあること

この治療によってニキビ跡の凹みが悪化したように感じることがあります。

治療後すぐには、赤みやカサブタなどが見られて、それがかえって肌が汚くなったのでは?と思ってしまうことがあります。

ダウンタイムから完全に回復するには1週間以上かかるので、それまではあまり深く悩まないで下さい。

鏡を何度も見たりしないほうがいいでしょう。

肌が弱い人は適していない

また、肌が弱い人や回復力が弱くなっている人においては赤みが長く残ったり、色素沈着を起こしてしまう可能性があります。

それがニキビ跡クレーターと重なると、影が強くなってより凹みが大きく見えてしまうことがあります。

そのため、肌が弱い人や老化が進行した肌の人(例えば40代以上、紫外線による肌老化が進んでいる人)などはこの治療を受けないほうがいいでしょう。

ピーリングを長く続けた人は要注意!

ニキビに悩む人は長い期間にわたってピーリングケアを行ってきたケースが少なくないのですが、ピーリングを続けると肌が薄くなって刺激を受けやすい状態になります。

そして、スターラックス1540のようなレーザーによるダメージが通常の肌よりもより強くなってしまうことがあります。

赤みや炎症後色素沈着が強く残ってしまい、それが消えなくなってしまう可能性があるので、ピーリングを年単位で行ってきた人は慎重にならなければいけません。