ティーツリーオイルとは、オーストラリア原産フトモモ科植物ティーツリーの樹木から抽出された液状のオイルのこと。
ティーツリーオイルには、優れた殺菌・抗菌作用、消毒作用があり、オーストラリア先住民族アボリジニの間では古くから怪我や皮膚治療などに使われてきた歴史があるとされます。
そして、そのティーツリーはニキビに効く成分としても知られています。にきびケア目的のコスメにも有効成分として使用されたりします。
今回はそのティーツリーの効果や、肌に対する刺激性などを解説してきます。
ティーツリーオイルの効果いろいろ
殺菌作用
ティーツリー油は、約100種類の成分が含まれることが確認されていますが、その中で最も注目されるのはテルピネン-4-オールという有効成分です。ティーツリーオイルはテルピネン-4-オールを多量に含み、幅広い細菌や真菌(カビ)に対して殺菌、抗菌力を示します。
ティーツリーオイルを0.5%から1%未満の濃度に希釈(薄める)した場合でも、幅広い種類の細菌や真菌に対して強い殺菌力があることがわかっています。
そして、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌にも効果があることがわかっています。他にも、フケ・かゆみ防止目的でシャンプーにも配合されたりします。
必要な皮膚常在細菌は殺菌しない
ティーツリーオイルは、皮膚常在細菌のバランスを大きく乱すことなく肌を清潔に保つ作用があるとされます。
耐性菌を生みにくい
一般的な抗菌剤・抗生物質などは、使用継続によって耐性菌(薬剤によっても生きられるように変化した細菌)を生むリスクがあります。ティーツリーオイルは直接たんぱく質に働くため耐性菌が発生しにくいとされます。医薬品よりも副作用の心配が少ないといわれています。
アロマ効果を得られる
アロマオイルとしても用いられるティーツリーオイルは、香りの力を利用することができます。ティーツリーの香りは免疫向上作用や、イライラ・ストレスを軽減して精神的な安定に導く効果があるといわれています。殺菌作用だけではなく香りによるリラックス効果を目的として化粧品に配合されることもあります。
ティーツリーオイルが有効な肌の症状
- ニキビ(白にきび、赤にきび)、吹き出物。
- 皮膚炎、湿疹、フケ症、脂漏性皮膚炎。
- 口腔カンジダ症、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、爪・股・足の白癬(はくせん)、水虫。
- 擦り傷、切り傷、ヤケドなどによる二次感染予防。
- 口角炎、口臭予防、虫歯予防。
ティーツリーオイルを含むニキビケア化粧品
ティーツリーを含む化粧品には「アクネバリア」シリーズなどがあります。
ティーツリーオイルは化粧品においては、石鹸や洗顔料、クリーム、シャンプーなどに配合されることが多いです。オイルなので化粧品に配合する場合は界面活性剤(乳化剤)を必要としますが、敏感肌などの肌質によっては界面活性剤が肌の負担になるケースもあります。
ティーツリーオイルの使い方
Step1必要な材料を購入する
ティーツリーオイルは、特に医師の処方箋が必要なものではなく、店頭や通販などで一般的に購入できるものです。
ティーツリーの人工栽培が確立して効率よく生産できるようになり、安い価格でティーツリーオイルを購入することができるようになっています。
ティーツリーオイル使う場合、原液のままではなく1.0%程度まで薄めて使用するのが基本です。また、ティーツリーオイルを希釈(薄める)するためにベースオイルとしてホホバオイルも購入します。ホホバオイルは人間の皮脂と近い脂肪酸などの成分で構成されています。
ちなみに、皮膚に刺激性がある不飽和脂肪酸が多く含まれるオイル(例えばオリーブオイルなど)は、ティーツリーオイルを希釈するベースオイルとして適切ではありません。不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸と比べると非常に酸化されやすく、皮膚に対して刺激性をもち、ニキビの原因となってしまう可能性があります。
Step2希釈したティーツリーオイルを作る
ベースとなるホホバオイルやクリーム性の化粧品にティーツリーオイルを混ぜて希釈して薄めます。目安として1%が目安です。オイル一滴の量が約0.05mlですので、5mlのホホバオイルにティーツリーオイル1滴を配合すれば1.0%濃度が作れます。たった一滴で十分です。
「ティーツリーオイルを綿棒などにつけて、そのままニキビ部分に塗布すると効果的」といったニキビケア解説サイトを見かけますが、原液をそのまま皮膚に塗るのは間違いです。ティーツリーオイルは1.0%までの希釈が理想だとされます。
Step3ニキビケアとしてのティーツリーオイルの使い方
洗顔後に化粧水などで肌を整えた後、ティーツリーオイルを希釈したものをニキビに塗布する。日中に使用する場合は紫外線ケアをする。ティーツリーオイルを使った後は空気に触れないようにキャップをしましょう。
ティーツリーオイルの副作用と注意点
- 油ですので時間の経過とともに酸化が進行し、皮膚に対して刺激性が強い物質へと変化します。できるだけ新鮮なものを使用し、早めに使い切るのが理想です。
- 直射日光が当たるような場所には保管しないようにしましょう。また、酸化を防ぐためキャップはしっかりと閉めましょう。
- 希釈せずに原液のまま皮膚に塗布しないようにしましょう。
- かぶれ、アレルギーなどの肌に異常が現れた場合、素早く使用中止しましょう。
- ピーリングを10年続けた肌はどうなる?過剰ニキビケア体験談
- 面疔(めんちょう)の原因&治し方まとめ。最も効く皮膚科の薬や市販薬は?
- 皮膚の表皮・真皮・角質層の厚さは何ミリ?各部位の厚みと層数まとめ
- ベピオゲルのにきび減少率と副作用、ヒリヒリする痛みやかゆみの対処についても解説
- メガネ跡の黒ずみ・色素沈着を治す方法は? 予防法と治療方法
- 目・眼球のしみ(結膜母斑)の治療方法とは? 原因と治し方
- 皮膚科のニキビ処方薬「塗り薬・飲み薬」まとめ。保険適用で処方頻度が多い順
- アダパレンゲルの赤ニキビ減少率と副作用。ヒリヒリや皮むけ、かゆみの対処について
- ニキビを潰す方法。ニキビの芯を出す器具と潰していいニキビ写真一覧
- デュアック配合ゲルのニキビ減少率と副作用。痛みやアレルギーのかゆみ対処について