吹き出物は顔面にできやすいことで知られていますが、顔以外の部分にもよくできることがあります。その一つが首の後ろ側(うなじ)です。
うなじニキビは腫れが大きくなることが多く、ニキビ跡の赤み・色素沈着も長く残りやすい部分です。
うなじニキビの原因と特徴
皮脂増加が原因
うなじのニキビの原因は皮脂の増加が主な要因です。
ニキビは毛穴があって皮脂腺が発達しているところであれば、皮膚のどこにでも発生する可能性がありますが、首筋は皮脂腺が発達していて汗などの分泌物も多いため比較的ニキビができやすい部分といえます。
特に思春期以降の若い時期には男女ともに男性ホルモンなどの性ホルモンの分泌が活発になり、それと比例して全身の皮脂分泌が多くなるため、その時期にうなじニキビが多発してしまうことが多いようです。
リンスやトリートメントが原因になることも
うなじニキビの原因の一つが、シャンプー・リンス・トリートメントなどのヘアケア製品です。
特にリンス・コンディショナー・トリートメントなどには潤いや艶(つや)を出すために油脂成分を豊富に含んでおり、それが毛穴に残ってうなじにきびができてしまうこともあるようです。
そのため、リンスを使う場合は、うなじにリンスの油脂成分が残らないようにしっかりとすすぐようにしましょう。
また、頭を洗った後に身体を洗うようにすれば、うなじに油脂成分を残すことはありません。うなじにきびができやすい人はリンスなどは控えてシャンプーだけにしてみると良いかもしれません。
紫外線によってうなじニキビ跡が悪化しやすい
うなじは紫外線の影響を受けやすい部分です。女性の場合では髪の毛で隠れる部分かもしれませんが、短髪の男性では紫外線の影響を強く受け、が悪化しやすくなります。
ニキビなどによって皮膚が炎症を起こすと、メラノサイトが活性化してメラニン色素を大量に作り出すようになりますが、炎症を起こしている部分にさらに紫外線ダメージが加わると、メラニン色素が皮膚の深い部分に入り込んでしまい、改善が難しいニキビ跡色素沈着が残ってしまうこともあります。
日焼け止めだけではなく、日傘、帽子・ハットなどを上手に活用してうなじニキビに紫外線が当たらないようにしたいところです。
うなじニキビの治し方
うなじはたくさんの泡で優しく洗う
うなじ・首筋ニキビを予防するには、顔と同じようにキメ細かいたくさんの泡で肌への負担がないように洗うことが重要です。
豊富な泡を作ることで皮脂汚れも落ちやすくなりますし、皮膚を刺激してしまうこともなくなります。特にニキビがある部分は、ナイロンタオルなどは使用せず手洗いが理想的です。
ナイロンタオルなどでゴシゴシ洗いをしてしまうと、皮膚を刺激して角質を厚くし、かえって毛穴を塞がりやすくしてしまったり、ニキビを刺激して色素沈着が濃く残ってしまう可能性があります。
髪を洗ったらきちんと乾かす
髪を洗った後、そのままにしておくと湿気でうなじに雑菌が増加しやすくなります。
特にニキビの原因になることがあるマラセチア菌は湿気が多い環境を好み、増加するとニキビや毛包炎(マラセチア毛包炎)を引き起こすことがあります。髪の毛を洗ったらしっかりとドライヤーで乾かしましょう。
うなじニキビにはピーリングコスメが効果的
皮脂の増加によってうなじニキビが繰り返し発生する肌質にはピーリング化粧品が効果的です。ニキビは角質が厚くなって毛穴が塞がることで発生しますが、特にうなじは角質が厚くなって毛穴がつまりやすい傾向があるようです。
そのため、その角質を優しく取り除いてくれるピーリング化粧品を利用することでうなじニキビの予防・改善につながります。
ピーリング化粧品には、洗顔料、固形石けん、ふきとり化粧水などがあり、成分的にはグリコール酸、乳酸などのフルーツ酸(AHA)や、サリチル酸(BHA)などが配合されたものが一般的です。
また、パパイン酵素やプロテアーゼなどのたんぱく質分解酵素を含んだ角質ケア製品もあります。酵素活性を保つために「パウダー酵素洗顔料」として販売されていることが多いです。
ピーリング化粧品を使用する場合は、決して肌に刺激を与えるように使用してはいけません。肌をこすったりすると炎症を誘発して、かえってニキビや毛穴黒ずみをまねきやすくなります。
また、ピーリングを長期的に行うと皮膚を薄くしてしまう可能性もあります。うなじの皮膚は顔よりも厚いですが、やりすぎは肌トラブルの原因になります。
うなじニキビは市販にきび治療薬が効果的
うなじニキビは一般的なニキビ治療薬でも十分な効果が期待できます。市販のにきび治療薬には、オロナイン、ピンプリット、クレアラシル、ビフナイト、ペアアクネクリームなどが有名です。
それらは殺菌作用と角質柔軟作用によって素早く首筋ニキビの腫れを抑え、赤みや色素沈着の悪化を予防します。
ひどくなったら皮膚科を受診する
うなじニキビが化膿した場合は、皮膚科を受診してみるのも一つの方法です。炎症がひどくなると跡が残りやすくなるため素早い対処が理想です。
また、ニキビだと思っても違う皮膚病である可能性もあります。例えば、まれに粉瘤(ふんりゅう)といったニキビとは違う症状であるケースもあります。皮膚科を受診すればお医者さんが適切な治療をしてくれるため安心です。
うなじニキビの治療には、抗生物質・抗菌薬の塗り薬が処方されます。炎症が深くない場合はベピオゲル(過酸化ベンゾイル)も有効です。顔のニキビによく処方されるディフェリンゲルはうなじの皮膚には反応しにくいため不向きです。
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