ビタミンB6とは、皮膚炎を予防することから発見された水溶性ビタミンです。ピリドキシンともいいます。
ビタミンB6は、補酵素としてたんぱく質の代謝の主役となるビタミンです。
食事から摂取したたんぱく質は、アミノ酸に分解されて、再びタンパク質として再合成され身体の成長に利用されますが、このときに不可欠なのがビタミンB6です。
ビタミンB6が不足すると、代謝が乱れてたんぱく質が全身に供給されなくなります。
特に肌の新陳代謝において不可欠な栄養素であり、不足するとニキビ肌荒れ、脂漏性湿疹などの様々な皮膚病を引き起こすようになります。
今回は、ビタミンB6とニキビ、肌荒れの関係についてです。
ニキビとビタミンB6の関係
ビタミンB6の主な作用
- 補酵素としてたんぱく質の代謝に深く関与する。
- 脂質の代謝にも関わる。
- 健康な皮膚、髪、爪をつくり、成長を促進させる。
- 皮膚炎の予防。
- アレルギーを抑える働き。
- 神経の働きを正常化する。
ビタミンB6の不足「欠乏症」
ビタミンB6が不足すると、ニキビ肌荒れ、皮膚炎、脂性肌、脂漏性皮膚炎、口内炎、口角炎、アレルギー症状、貧血、筋力低下、免疫低下などを引き起こすことがあります。
肌作りをサポートする
ビタミンB6は、補酵素としてタンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜を作り出す働きがあります。不足すると慢性的に肌荒れ、皮膚炎を起こすことがあり、ニキビの原因になることもあります。
皮脂分泌を抑制する
ビタミンB6は脂質の代謝に関与して、皮脂分泌をコントロールする働きがあります。不足するとニキビや脂漏性皮膚炎を起こすことがあります。
肌が脂っぽくなって鼻の周りのフケが増えきた場合、ビタミンB6が不足している可能性があります。
ニキビによる炎症後色素沈着を予防する
ニキビの炎症によって肌が強くダメージを受けると、メラニン色素が活発に生成されて色素沈着を起こすようになりますが、ビタミンB6は、このニキビ跡の炎症後色素沈着を緩和する働きがあります。
ビタミンB6に限らず、他のビタミンB群に属するビタミンがしっかり存在していると、ニキビの炎症で発生するメラニン生成を大幅に抑制できることが明らかになっており、その効果はビタミンCのチロシナーゼ阻害作用以上という研究結果も報告されています。
ビタミンB群の中でもビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシンなどは特に重要だとされます。
ビタミンB6はアレルギー症状を緩和する
ビタミンB6は、免疫機能を正常に維持してアレルギー症状を緩和します。例えば、アレルギーとニキビが重なると、ニキビがかゆくなって腫れが長引き、悪化したりすることがありますが、ビタミンB6のアレルギーを抑制する働きによって炎症の悪化を予防します。
また、化粧品やニキビ治療薬によるかぶれも緩和してくれるはずです。
皮膚科ではニキビ治療に処方されることがある
ビタミンB6は病院におけるニキビ治療の内服薬として処方されることがあります。皮膚科でビタミンB6剤が処方される場合は、ピドキサールというお薬がよく処方されます。
また、ビタミンB6のお薬が処方される場合は、一緒にビタミンB2のお薬(商品名では例えばフラビタンなど)とともに処方されることが多いです。なお、ニキビ治療の場合は保険適応です。
市販の医薬品(飲み薬)にもビタミンB6が含まれる
ニキビや肌荒れ予防を目的とした医薬品やサプリメントなどにおいても、ビタミンB2とともにビタミンB6が配合されることが多いです。
例えば、チョコラBB、ハイシーBメイト、ハイチオールB、エバユースなどの商品においてもビタミンB2、B6が配合されています。それだけ、ビタミンB6が肌の健康にとって重要であるということです。
ビタミンB6が不足する原因いろいろ
ストレスはビタミンの消耗を増やす
ストレスは体内のビタミンB6の消耗を増やす要因です。ビタミンB6だけではなく他のビタミン、またミネラルなどの不足もまねきます。
一時的なストレスならば気にすることはないですが、慢性的なストレスや悩み、体調不良が続くとビタミン不足に陥り、ニキビや肌荒れも慢性化してくる可能性があります。
喫煙もビタミンB6を減らす
タバコを吸うことも体内のビタミンB6を減らします。有害物質を分解するために多くのビタミンが消費されるのです。
特にビタミンCやビタミンEが喫煙によって激しく消耗されるとされます。ニキビを早く治したいならばタバコややめたほうが良さそうです。
油っこい食事がビタミンB6の消費量を増やす
食事においても、脂質の摂取が多くなるとビタミンB6の消費が多くなります。ビタミンB6は脂質の代謝にも関係しているためです。
そもそも、脂肪分を多くとってしまうと皮脂量も多くなってニキビができやすくなりますので、ブツブツが悪化している場合は食生活には気をつけたほうが良さそうです。
ポテトチップスなどのスナック菓子類を控える、揚げ物や脂肪の多い肉を止める、油を使う料理をやめて焼き魚や煮魚にしてみるなど、脂質量を落とす工夫をして見て下さい。
ビタミンB6摂取のポイント
1日の必要量(所要量)
ビタミンB6の1日の所要量は、
男性:1.6mg、女性:1.2mgが目安。また、許容上限摂取量は100mg。
ビタミンB6はバランスの良い食生活をおくっていれば不足の心配は少なくなります。
ビタミンB6を多く含む食べ物
ビタミンB6は、様々な食品に幅広く含有されますが、特に肉類や魚類を中心とした動物性食品に多く含まれます。
以下はビタミンB6を多く含む食品です。
ビタミンB6を多く含む食品(可食部100gあたり)
かつお:0.75mg、まぐろ:0.72mg、鮭(さけ):0.63mg、さんま:0.52mg、さば:0.50mg、いわし:0.44mg、牛レバー:0.89mg、牛もも肉:0.34mg、鶏ささ身:0.67mg、納豆:0.25mg、さつまいも:0.28mg、バナナ:0.39mg
また、ビタミンB6は食事以外にも腸内細菌が産生して供給されています。偏食やダイエットなどで食生活が乱れたり、下痢や便秘などで腸内細菌バランスが乱れるとビタミンB6が不足する可能性があります。
サプリを利用するのも一つの手段
ビタミンB6は溜めておけないビタミンなので、食生活が悪くなると不足しやすくなります。その場合はサプリメントを活用しても良いと思います。
ビタミンB6の過剰摂取。過剰症の心配
ビタミンB6は水溶性ビタミンであるため、余分な分は尿とともに排出されます。
そのため、過剰症の心配はほとんどありませんが、一日に100mg以上摂取し続けると、神経障害、皮膚のかゆみ、胃腸障害などを引き起こすことがあるとされます。副作用が現れるとしても重い症状ではないです。
100mgというとサプリメントなどを摂取しないと得られないレベルです。健康食品でビタミンB6を摂る場合に注意しましょう。
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