ニキビ治療薬ゼビアックスローションの効果。使い方や副作用の危険性

ゼビアックスローションの画像 病院で処方されるニキビ治療薬の一つにゼビアックスローション2%という塗り薬があります。

このお薬は非常に優れた抗菌作用があり、ニキビの原因菌を素早く減少させてニキビの腫れを治す効果があります。

ニキビだけではなく細菌が原因となる化膿性の症状にも使用されることも多いです。副作用が少ない利点があることから、肌が敏感な人でも使いやすいです。

今回はゼビアックスローションのニキビ改善効果と使い方、副作用や危険性などをご紹介します。

効果と特徴

ゼビアックスローション2%は、オゼノキサシンというキノロン系抗菌薬を主成分とした塗り薬です。

主成分「オゼノキサシン」は、細菌のDNAの複製を阻害することで抗菌・殺菌作用を示します。それによってニキビの原因菌であるアクネ菌や、おできや毛嚢炎などの原因となるブドウ球菌などの細菌を死滅させます。

このお薬は細菌に対して殺菌効果を示しますが、カビ(真菌)には効きません。マラセチア菌やカンジダ菌には効果がありません。細菌による皮膚病変に効果があります。

炎症性のニキビ減少率は?

以下の画像グラフは皮膚科でよく処方されるニキビ薬において、使用開始から12週間後の炎症ニキビの減少率を比べたもの。わかりやすく画像作ってみました。

それぞれのお薬の優位性を直接比較した試験結果ではないのですが、一つの参考にしてください。

皮膚科のニキビ治療薬における炎症ニキビ減少率の画像グラフ

ゼビアックスローションの赤にきび減少率は54.7%で、これはダラシンTゲルやアクアチムなどの抗菌薬の中ではトップの数字です。

ただ、その優位性はごくわずかなもので、実際に使えば抗菌薬はどれも大きな差はないようです。

なお、皮膚科医がよく処方するお薬としては、ディフェリンゲル(アダパレンゲル)やベピオゲルなどがあげられますが、アダパレンゲルは64.1%の赤ニキビ改善率で、ベピオゲルは72.7%と、非常に高い効果が期待できます。

けれども、その2つのお薬は副作用の発生率が非常に高いのが欠点です。ベピオゲルにいたっては、3~4%くらいのレベルでかぶれてしまう可能性があるとされます。肌が弱い人は使用不可!

効果が期待できる症状

ゼビアックスによって効果が期待できる症状は、主に炎症が強いニキビや、おでき(せつ)、毛嚢炎などの細菌が原因となる皮膚感染症です。

抗菌薬は薬剤耐性の心配もあるので白ニキビや黒ニキビといった軽い症状には使用されません。

軽いニキビに対しては、このお薬よりもディフェリンゲルやベピオゲルなどが適しています。

他の抗菌薬との違い

ニキビ治療における外用抗菌薬には、ダラシンTゲル(一般名:クリンダマイシン)やアクアチム(一般名:ナジフロキサシン)などがありますが、ゼビアックスローションはそれらよりも強い抗菌作用を示します。

従来からニキビ治療に使用されるアクアチムは、ゼビアックスローションと同じキノロン系抗菌薬に属しますが、アクアチムよりもゼビアックスの方が抗菌力が高いため、今後はキノロン系のお薬を使用する場合は、アクアチムの代わりにゼビアックスローションが使用されることも多くなると思います。

1日1回の使用で済むメリットがある

一般に、ニキビ治療薬というと1日に何度も患部に塗る必要がありますが、ゼビアックスローションの場合は1日に1回の使用で効果があります。

製品の試験において、1日に複数回塗った場合と、1日1回の使用した場合を比べて効果の差がみられなかったため、1日1回の使用で良いとされています。

無色透明で垂れにくい

ゼビアックスローションを塗る画像 この治療薬は無色透明の液状で、塗った部分の色が変わることがありません。液状ですが、ややジェル状で垂れにくい特長があります。日常的に使いやすいのもゼビアックスローションのメリットです。

ニキビ跡に効果がある?

にきび跡の赤みやシミ、クレーターなどに対してはゼビアックスローションは効きません。単に細菌の増加を抑制するお薬です。

ベピオゲルやディフェリンゲルが難しい人に有効

一般に、ニキビ治療というと殺菌薬の「ベピオゲル」や、ターンオーバーを抑える「ディフェリンゲル」などが処方されることが多くなっています。それらは抗生物質ではないため、薬剤耐性を起こさないメリットがあります。

ところが、ベピオゲルやディフェリンゲルは赤みやヒリヒリ感が現れやすく、肌質によっては使いづらいところがあります。そういったベピオゲルなどの使用が難しい人にゼビアックスローションは適しています。

ゼビアックスローションの使い方

女性の肌の悩み ゼビアックスローションの使い方は、洗顔して化粧水で保湿した後に適量を塗るだけです。

ローションを指先にちょこんと付けてニキビに対してはみ出ないように塗ります。

使用回数は1日1回でOKです。それで充分な効果があるとされます。そして、紫外線の影響を避けるために夜1回の使用が理想です。

なお1日のうち朝と夜の2回塗っても特に問題はありません。ただし、何度塗っても効果に違いはないです。

ベピオゲルと組み合わせる時の使い方

ベピオゲルの画像 ニキビ治療において皮膚科を受診すると、ゼビアックスと一緒にベピオゲルという塗り薬が処方されることがあります。

ベピオゲルはゼビアックスローションのような抗菌作用とは違う殺菌効果をもち、組み合わせると相乗効果をもたらします。

その2つの薬を同時に使う時の塗る順番は、ベピオゲルを先に塗って、その後にゼビアックスを塗ります。

一緒にディフェリンゲルを使う場合の塗る順番

ディフェリンゲルの画像 皮膚科ではゼビアックスと同時にディフェリンゲルという塗り薬の同時使用をすすめられることがあります。ディフェリンゲルはターンオーバーを抑制することで、ニキビ悪化を阻止するお薬です。

ゼビアックスとディフェリンゲルを一緒に使う場合の塗る順番は、ディフェリンゲルを先に塗って、ある程度乾いた後にゼビアックスローションを塗ります。

使用期間

使用期間はどれだけ長く使っていいのでしょうか。抗菌薬という種類に属するゼビアックスローションですが、抗菌薬であるため安易な長期使用は避けなければいけません。

4週間以上使用しても効果が現れない場合は、細菌が耐性を獲得している可能性があるため、キノロン系とは違う系統の抗生物質(ダラシンTゲルなど)や、耐性菌の心配がないベピオゲルやディフェリンゲルなどの違う治療薬に切り替えてください。

保管方法

保管方法についてですが、ゼビアックスローションは、直射日光や高温になるところを避けて保管して下さい。冷暗所が理想です。また、子供の手が届かないところに保管して下さい。

購入するには?

購入したい場合は医師の処方箋が必要です。保険適応となります。なお、一般的な市販品として購入することはできません。

ゼビアックスローションの副作用

製薬会社のマルホ株式会社の情報によると、ゼビアックスローションによる副作用は約1%の確率で現れると報告されています。

主な副作用は、かゆみ、刺激感、乾燥、赤みなどです。

なお、副作用が1%レベルというのはニキビ薬の中では非常に少ない数字です。

肌が薄くて弱い人は、どんな薬を使用しても刺激感や赤みなどが現れやすいのですが、そういった極端なデリケート肌でなければ基本的にこのお薬で副作用が起きるのはまれです。

副作用が少ないのが最大の利点

ゼビアックスローションは刺激性が極めて低く、副作用が少ないメリットがあります。アレルギーも比較的に起こしにくいです。

そのため、敏感肌タイプの炎症ニキビや毛嚢炎、おできなどに適したお薬だと思います。

かぶれてしまったら

もし使用後に強いかゆみや赤みなどが現れた場合はアレルギーを起こしている可能性があるため、使用中止して医師に相談して下さい。

耐性菌の問題

抗菌薬というジャンルに属するゼビアックスローション。その抗菌薬には、使い続けると細菌が耐性を獲得してしまう問題があります。

薬剤耐性菌は抗菌薬に対しても生き延びれるように変化した細菌で、その薬剤耐性菌が増加するとお薬による効果が得られなくなってしまうことがあります。

この耐性菌の問題はゼビアックスローションに限った話しではなく、抗菌薬であれば使い続けることで治療効果が得られなくなる可能性があるので注意して下さい。

このお薬を使っても治療効果が得られない場合は細菌が耐性をもってしまっている可能性があります。その場合はベピオゲルなどの違うお薬に切り替えます。

薬剤耐性菌を予防するには?

ゼビアックスによる薬剤耐性菌は長期使用や中途半端な治療になるほど発現の危険性が高くなります。

耐性菌を出現させないためには、ゼビアックスローションの使用方法を守り、しっかりとニキビの炎症を治してから治療を終了するようにしましょう。

例えば、ある程度ニキビの腫れが落ち着いたからといって途中で使用中止したりすると耐性菌が出現しやすくなります。

ゼビアックスローションを使って一気にニキビの原因菌を退治することが重要です。中途半端な使用はしないことがポイントです。

かえって悪化することがある?

アゴニキビの画像 どんなに優れた塗り薬でも、少なからず刺激性があるものです。ゼビアックスローションもその一つで、このお薬を使った後にニキビが悪化したように感じる人もいます。

特に肌が弱い人、敏感肌などの人においてはお薬の刺激によって一時的にニキビが悪化したように見えることがあります。

皮膚科で処方される塗り薬の中でも特に副作用の心配が少ないお薬なのですが、まれに悪化してしまったら使用を中止して皮膚科医に相談して下さい。